TICAD9にナイジェリアのティヌブ大統領が出席、日本との外相会談も実施

(ナイジェリア、日本)

ラゴス発

2025年09月25日

ナイジェリアのボラ・ティヌブ大統領は、第9回アフリカ開発会議(TICAD9)に出席するため訪日した。ユスフ・トゥガー外相も訪日し、8月20日には岩屋毅外相と会談を行った。外相会談で、トゥガー外相は、経済分野や気候変動分野などでの2国間協力や、日本からの投資に期待を寄せた。

ティヌブ大統領は、8月20日のTICAD全体会合1(平和と安定)において、意味ある発展のためには平和と安定が不可欠であると述べ、コンゴ民主共和国(DRC)とルワンダが2025年6月に署名した和平合意(注)を例に挙げ、経済的配慮を組み込んだ新しい紛争調停モデルが成功をもたらすだろうと主張した。ナイジェリア国内については、反乱勢力および犯罪との戦いにおけるナイジェリア軍の成果について述べ、政府の治安機構を強化し、進行中の経済改革を通じて治安不安の根本原因に対処するという自らの政権のコミットメントを強調した。

また、ティヌブ大統領は、従来繰り返し求められてきた援助などではなく、市場原理に基づく国家間の協力とパートナーシップを訴えた。国連安全保障理事会について、アフリカは拒否権を伴う常任理事国の議席を2議席得るに値するとし、アフリカには非常任理事国の議席も追加するべきだとして、日本政府に対して支持を要請した。

(注)コンゴ民主共和国とルワンダは、2025年6月27日に米国の仲介で和平合意に署名した(2025年7月3日記事参照)。ルワンダ軍は、コンゴ民主共和国東部からの段階的な撤退を行うとした。

(奥貴史)

(ナイジェリア、日本)

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