コンゴ民主共和国(DRC)とルワンダが和平合意に署名
(コンゴ民主共和国、ルワンダ、米国、東アフリカ共同体(EAC)、南部アフリカ開発共同体(SADC))
ナイロビ発
2025年07月03日
コンゴ民主共和国(DRC)の東部で反政府武装組織が勢力を拡大し、隣国ルワンダ政府とDRC政府の関係が悪化している問題をめぐり(2025年2月3日記事参照)、6月27日に、DRCのテレーズ・カイクワンバ外相とルワンダのオリビエ・ンドゥフンギレヘ外相との間で和平合意が署名された。マルコ・ルビオ米国務長官の同席のもと、米国において署名式が行われた。米国のドナルド・トランプ大統領はこの和平合意について、30年以上に及ぶ紛争が終結し、同地域における「希望の新章(a new chapter of hope)」と称賛し、7月には両国首脳の訪米も検討していることを示唆した。
合意事項には、両国の領土保全と敵対行為の禁止や非国家武装集団への支援の終了、武装解除、DRC国軍および警察への戦闘員の条件付き統合、共同安全保障調整メカニズムの設立などが盛り込まれた。また、地域経済統合枠組みでは、米国政府および米国投資家と適宜連携して、両国を結びつける透明かつ公正な鉱物バリューチェーン(鉱山から加工金属まで)などにかかる協力を開始・拡大することも盛り込まれた。
同紛争については、過去に幾度も停戦合意が結ばれてはいるが、解決には至っていない。南部アフリカ開発共同体(SADC)主導のルアンダ和平プロセス(注)や東アフリカ共同体(EAC)主導のナイロビ和平プロセスも成功しなかった。主要メディアでは、今回の和平合意についても実効性を疑う声があがっている。
(注)ルアンダはアンゴラの首都。
(佐藤丈治)
(コンゴ民主共和国、ルワンダ、米国、東アフリカ共同体(EAC)、南部アフリカ開発共同体(SADC))
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