米アリゾナ州連邦下院特別選挙、民主党候補が快勝、バージニア州に続く
(米国)
調査部米州課
2025年09月25日
米国アリゾナ州の連邦下院(7区)特別選挙が9月23日に行われ、民主党のアデリタ・グリハルバ氏(ピマ郡監査委員会委員)が共和党のダニエル・ブテレス氏(実業家)らを抑え、68.6%(PBS9月25日)と高い得票率で勝利した。グリハルバ氏は、前アリゾナ州連邦下院議員のラウル・グリハルバ氏の娘で、同州でラテン系女性として初の連邦議員になる。
連邦選挙で激戦州とされるアリゾナ州では、同氏の当選により、全有権者の4分の1を占めるラテン系有権者の政治的影響力を高めることになるとみられる。グリハルバ氏は「私がこのような立場にいるのを見て、『彼女にできるなら、私にもできる』と思ってもらい、それぞれの地域社会で変化を起こせるよう働きかけてほしい」と述べた(ザ・ナインティーンス9月23日)。
今回選挙の結果、連邦下院の議席は共和党219、民主党214(空席2)と、両党の差はさらに小さくなる。下院の空席2席は、特別選挙が11月4日に実施されるテキサス州(18区)と12月2日に実施予定のテネシー州(7区)だ。
また、グリハルバ氏の当選により、ジェフリー・エプスタイン関連の文書公開(注)を求める超党派法案の採決を求める嘆願書への署名に、バージニア州の9月の連邦下院選挙で勝利したジェームス・ウォーキンショー氏(2025年9月12日記事参照)に続きグリハルバ氏が加われば、必要署名数(218)に達することになる(「ワシントン・ポスト」紙9月23日)。
(注)性犯罪で起訴され、独房で自殺したエプスタイン氏の関連文書の公開を約束していたトランプ政権が一転して、文書の存在を否定する事態となり、トランプ氏との関係性などで疑惑を呼んでいる。
(松岡智恵子)
(米国)
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