米バージニア州連邦下院選、民主党候補が快勝
(米国)
調査部米州課
2025年09月12日
米国バージニア(VA)州の連邦下院選挙(11区)が9月9日に行われ、民主党のジェームス・ウォーキンショー氏(前任のジェリー・コノリー氏の元首席補佐官)が共和党のスチュワート・ウィトソン氏(ロビイスト)と対戦し、7割を超える得票率獲得という大差で勝利した。ウォーキンショー氏はトランプ政権を鋭く批判してきた。
同氏は投票翌日の10日のインタビュ-で、今回の勝利は「有権者の今日の立場を示す指標」と語った。VA州11区は首都ワシントンの郊外にあり、「(この地域は)ドナルド・トランプ大統領の政策(連邦職員削減)の直接的影響を受けて、雇用喪失を経験している」と述べた。就任式前の下院での演説で、ウォーキンショー氏は「われわれが方針を変えなければ、VA州北部で起こっていることがこの国全体に広がるだろう」と警告した(「ワシントン・ポスト」紙9月11日)。
この選挙結果を受け、下院の議席は共和党219、民主党213(空席3)と、両党の差はさらに小さくなった。9月末までに行われる政府予算の採決に影響するとみられる。
また、ジェフリー・エプスタイン関連の文書公開(注)を求める超党派法案の採決を求める嘆願書への署名にウォーキンショー氏が加わることになる。9月23日に行われるアリゾナ州の連邦下院選挙(7区)でも、民主党候補の勝利が予想されており、必要署名数(218)の獲得を見込んでいるという(政治専門紙「ポリティコ」9月10日)。
VA州では11月に知事選が予定されており(2025年7月22日記事参照)、今回の選挙結果が州全体に与える影響が注目される。
(注)性犯罪で起訴され、独房で自殺したエプスタイン氏の関連文書の公開を約束していたトランプ政権が一転して、文書の存在を否定する事態となり、トランプ氏との関係性などで疑惑を呼んでいる。
(松岡智恵子)
(米国)
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