シンガポールとインド、包括的戦略的パートナーシップに関するロードマップ採択
(シンガポール、インド、ASEAN)
シンガポール発
2025年09月09日
シンガポールのローレンス・ウォン首相兼財務相は9月2日から4日までインドを公式訪問し、4日にインドのナレンドラ・モディ首相と会談した(9月4日付シンガポール外務省発表)。両首脳は包括的戦略的パートナーシップ(CSP)に関するロードマップを採択し、(1)経済協力、(2)人材育成、(3)デジタル化、(4)持続可能性、(5)コネクティビティー(連結性)、(6)ヘルスケア・医療、(7)人的・文化交流、(8)防衛・安全保障協力の8分野で、協力を一層強めていくことで一致した〔シンガポール外務省発表(既出)付属書A、9月4日付インド首相府発表
〕。
「経済協力」では、インド・シンガポール包括的経済協力協定(CECA)の第3回見直し開始や、2025年にASEAN・インド物品貿易協定(AITIGA)の見直しの実質的な達成が盛り込まれた(注)。また、インド・シンガポール半導体政策対話に基づく協力などを通じたインドの半導体産業とエコシステムの成長支援、先進製造能力を備えた持続可能な工業団地や次世代工業団地の共同開発なども含まれる。
CSPの実施・進捗状況を毎年監視する主要な枠組みとして、インド・シンガポール閣僚円卓会議を制度化することでも合意した。
両首脳は4日の会談後の共同記者会見で、CSPロードマップのほか、(1)グリーン・デジタル海運回廊に関する協力、(2)宇宙分野の協力促進、(3)チェンナイの施設に先進製造のためのセンター・オブ・エクセレンス設立、(4)中央銀行間のデジタル資産イノベーション、(5)民間航空分野での訓練・研究開発協力の5つの覚書(MOU)締結などに立ち会った〔シンガポール外務省発表(既出)、同付属書B参照〕。
(注)CECAは2005年、AITIGAは2010年に発効した(ジェトロの世界のFTAデータベース参照)。
(朝倉啓介)
(シンガポール、インド、ASEAN)
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