シンガポール・ポスト、米国向け郵便物の新サービス開始

(シンガポール、米国)

シンガポール発

2025年09月19日

シンガポールの郵便事業会社シンガポール・ポスト(シングポスト)は9月15日から、個人を対象に、米国向け郵便物郵送サービス「スピードポスト・ダイレクト・インターナショナル(個人向け)」を新たに開始した。このサービス開始は、米国が8月29日から少額貨物の輸入に対する非課税基準額(デミニミス)ルール適用を廃止したことを受けてのものだ(2025年9月3日記事参照)。シングポストは8月末に法人を対象とした米国向け小口貨物の郵送サービスも開始している。

シングポストは8月25日から、デミニミスルールの運用停止に伴い、商業価値のある内容物を含む米国向け通常郵送サービスの受け付けを停止した。これに代わり、新たに開始した個人向けサービスでは、発送品の価値が100米ドル以下であることが条件となる。利用者は同社指定の封筒(縦16.2センチ、横22.9センチ、重量上限0.5キロ)、または箱(縦31センチ、横23センチ、高さ9センチ、同2キロ)を使用する必要がある。配送料(関税、税金を除く)は、封筒が29シンガポール・ドル(約3,335円、Sドル、1Sドル=約115円)、箱が69Sドルに設定している。発送時には、シングポストが発送品に応じて必要な関税と税金を事前に計算して徴収することで、受取人に予期しない追加料金が発生するのを防止する。配達までの期間は5~8日営業日。シングポストのネオ・スーイン最高執行責任者(COO)は9月14日付の報道発表で、「新サービスの利点は、料金の透明性にある」と述べた。

重量が2キロを超える、または発送品の価値が100米ドルを上回る場合は、新たに開始した「スピードポスト・エクスプレス・インターナショナル」が適用される。同サービスでは、配送期間が3~6営業日に短縮され、配送料は159Sドル以上(関税、税金を除く)だ。

なお、法人向けのサービスについては、法人アカウントを開設すると、専属のアカウントマネジャーが配属され、配達までのサポートを受けられる。配送料については公表されていない。

(本田智津絵)

(シンガポール、米国)

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