アルゼンチン政府、主要農産品の輸出税率を10月31日まで一時的に撤廃
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2025年09月25日
アルゼンチン政府は9月22日、主要農産品について、輸出に課税する輸出税の税率を一時的に撤廃すると発表した。同措置は2025年10月31日までとなっている。政府は、7月31日付で主要農産品の輸出税を恒久的に引き下げていたが(2025年8月19日付記事参照)、今回の措置は農業セクターの輸出競争力をより高めることで、外貨の流入を促し、経済を安定させることが目的だとしている。
9月22日付で公布された政令682/2025号によると、本措置の対象品目は大豆、トウモロコシ、小麦、大麦、ヒマワリ、グレーンソルガムなどおよび関連品。対象品目の詳細は同政令の付属書「ANEXO」を参照。7月末の恒久的な税率引き下げの対象となっていなかった大麦や小麦も含まれている。有効期間は2025年10月31日までだが、輸出者があらかじめ登録する必要がある外国販売宣誓申告書(DJVE)の登録額が総計70億ドルを達した時点で措置を終了する。輸出者は、輸出取引を行ってから3営業日以内に、取引額の90%に相当する外貨をアルゼンチン国内に入金しなければならない。この期間内に入金が行われなければ、政令526/2025号に基づく輸出税が課される。
また、9月23日にも政令685/2025号を公布し、牛肉、鶏肉なども同じく2025年10月31日まで輸出税率を0%に引き下げた。
国内各地の穀物取引所や農業関連団体などは、今回の措置を歓迎したうえで、農業セクターをさらに発展させるためにも、長期的に継続される政策を打ち出してほしいとしている。他方、主要な穀物の産地がある州知事や野党関係者などは、今回の措置は2025年10月26日に実施される国会議員中間選挙を前に、必要に迫られて打ち出されたものであり、恒久的なかたちで輸出税を撤廃するべきだ、と政府に訴えている。
(山木シルビア)
(アルゼンチン)
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