四川省、「2025年四川省外資安定化行動実施方案」発表

(中国)

成都発

2025年09月04日

中国の四川省政府は8月13日、「2025年四川省外資安定化行動実施方案」を発表した。実施方案は「高水準の対外開放の推進」「外資系企業による投資誘致の促進」「オープンプラットフォームの機能性強化」「外資系企業へのサービス支援強化」の4つの柱、18項目で構成している。商務部と国家発展改革委員会が2月19日に発表した「2025年外資安定化行動方案」(2025年2月28日記事参照)に基づいており、同省で外資企業の事業展開や再投資などを促進することを目的に、さらに詳細を定めたものとなる。

実施方案では、電気通信や医療、教育等分野で試験的開放の拡大を推進し、バイオテクノロジー、医療、教育などの分野を中心に外資企業の誘致・参入を拡大し、既に中国に進出している外資企業の国内再投資を支援することなどを盛り込んでいる。省の取り組みとしては、成都市のサービス業の開放拡大プロジェクト促進、外資企業による同省上場企業への長期投資を奨励するなどとしている。

また、バイオ・医薬品分野では、新薬開発の環境整備を構築し、国家談判制度(注)で基準を満たした新薬に医療保険を適用するほか、医療施設での新薬導入を加速するとした。さらに、外資系の製薬会社や医療設備メーカーによる四川省の生産拠点建設を促進するとした。

そのほか、重点分野での外資企業による投資誘致を強化するとし、養殖、飼養管理に係る設備や飼料などの生産関連分野への投資を奨励し、同分野に投資した外資企業に内国民待遇を与えることなども盛り込んだ。また、「フォーチュン・グローバル500」にランクインした企業からの投資への政策支援強化や、ハイテク製造業、高級サービス業の投資誘致の促進も提示し、外国人による中国出入国時の利便性向上や居留許可にかかる手続きの簡素化を図るとした。

(注)国家談判制度とは、中国国家医療保障局が主導し、製薬企業と医薬品の薬価を交渉して、国家医療保険医薬品リスト(NRDL)に収載する医薬品を決定する制度を指す。

(王植一)

(中国)

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