日本板硝子、キーウ州でのフロート板ガラス製造ラインの建設に技術支援

(ウクライナ、日本)

調査部欧州課

2025年09月29日

日本板硝子は9月19日、同社グループのピルキントン・テクノロジー・マネジメント(Pilkington Technology Management Limited、PTML)が、ウクライナのノバスクロ(NovaSklo)と、キーウ州でのフロート板ガラス製造ラインの建設における技術支援契約を締結したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

PTMLは、製造ラインの設計から試運転まで、プロジェクト全体を通じて技術支援を行う。完成後のフロート板ガラス製造ラインは、エネルギー効率、安全性、サステナビリティの点で国際的な最新基準を満たす、ウクライナで初めてかつ最大の設備となる予定だ。

このプロジェクトは、ウクライナの投資会社EFIグループが手掛けており、ノバスクロが主体となって進めている。2028年までのフロート板ガラス工場設立を目指し、ドイツのホーングラス工業と技術・設備面でパートナーシップを組んでいる。ウクライナ投資庁や経済・環境・農業省も大規模投資プロジェクトとして支援する。投資総額は2億4,000万ユーロを見込み、生産設備にかかるコストの85%(約9,700万ユーロ)は、ドイツの輸出信用機関の保証のもとに銀行から提供される。

2025年7月に実施された第4回ウクライナ復興会議(URC)でノバスクロは、ドイツのホーングラス工業、ツィッペ、イタリアのボッテロと、同プロジェクトにおける協力協定を締結した。3社は、エンジニアリングやプロジェクト支援を提供する(2025年7月18日記事参照)。

EFIグループによると、最初の生産ラインの年間生産能力は2,500万平方メートル。同グループは、ウクライナの復興需要を考慮すると、同国の年間のガラス消費量は4,500万平方メートルに達すると予測し、第2生産ラインの建設計画も進める。このプロジェクトにより、ウクライナのガラスの輸入依存を緩和し、国内市場のレジリエンスや競争力が強化されると期待されている。

(柴田紗英)

(ウクライナ、日本)

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