中国自動車工業協会、完成車メーカーによるサプライヤーへの代金支払いに関するガイドラインを発表
(中国)
広州発
2025年09月24日
中国自動車工業協会(CAAM)は9月15日、「自動車完成車メーカーによるサプライヤーへの代金支払いに関するガイドライン」を発表した。同ガイドラインは、完成車メーカーとサプライヤー間の健全な取引関係を構築し、「中小企業支払い保障条例(2025年6月16日記事参照)」の着実な履行を図ることを目的としている。
ガイドラインでは、(1)注文確認、(2)納品・検収、(3)代金支払い、(4)契約期間について、それぞれ順守すべき内容を定めた。主な内容は次のとおり。
(1)注文確認:発注書を通じて発注日、部品名称・規格、納期、数量などを明確にする。発注書の内容を変更または取り消す場合は、双方の合意が必要。
(2)納品・検収:納品後、完成車メーカーは速やかに検収を完了し(原則3営業日以内)、検収書を発行する。商品種類・数量・品質の要求に合致しない場合は、速やかに通知し、サプライヤーは指定期間内に是正・交換または補充措置を講じる。これにより生じた損失の責任認定および賠償は、契約の定めに基づき処理する
(3)代金支払い:支払い期日は検収完了日から最長60日以内とし(支払日が法定休日と重なる場合は順延)、支払い方法は現金または銀行引受手形による支払いを奨励。サプライヤーが中小企業である場合は、全額現金または銀行引受手形による支払いを推奨する。供給単価について双方が合意に至っていない場合には、原則として直近の供給契約単価の80%以上または開発指定単価の50%以上を先行支払いとする。
(4)契約期間:1年以上とし、長期的かつ安定的な協力関係を構築することを推奨。
中国工業情報化部の関係者は、「完成車メーカーによる代金支払いの遅延は、サプライヤーの経営圧力を増大させ、投資を妨げる要因となる。支払い期日の短縮化は、完成車メーカーの経営管理の質と効率の向上、近代的管理システムの構築加速、規模拡大と競争力強化に寄与する。完成車メーカーは、長期的な視点に立ち、サプライヤーとウィンウィンの協力関係を築き、健全な産業エコシステムの構築を目指すべきだ」と述べた(「人民日報」9月16日付)。
また、中国第一汽車集団、広州汽車集団、BYDなどの主要完成車企業は、同ガイドラインに賛同する旨を表明している。
(梁梓園)
(中国)
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