「PETRONAS Future Tech4.0」デモデー開催、日本企業3社が登壇しアスエネが最優秀賞

(マレーシア、日本)

クアラルンプール発

2025年09月04日

ジェトロは、マレーシア国営石油会社ペトロナスが実施するアクセラレーションプログラム「FUTURE TECH4.0外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に、エコシステムパートナーとして参画し、日本のスタートアップ参入を支援している(2025年3月19日記事6月30日記事参照)。3カ月間に及ぶ同プログラムの集大成として、「DemoDayPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」が8月25日にクアラルンプールで開催され、7カ国・地域の22社(添付資料表参照)の中から、アスエネ(東京都港区)が最優秀賞を受賞した。

写真 最優秀賞を受賞するアスエネの濱田氏(右、ジェトロ撮影)

最優秀賞を受賞するアスエネの濱田氏(右、ジェトロ撮影)

今回は日本のスタートアップ3社が参加した。まず、アスエネは法人向けにワンストップで二酸化炭素(CO2)排出量の見える化・削減を支援する気候テックだ。濱田雅章カントリーマネジャーは「脱炭素に向けた規制導入が進むマレーシアに市場性を感じてプログラムに参加した。ペトロナスとの概念実証(POC)について協議を進めている」と説明した。

また、カーボンクライオキャプチャー(茨城県つくば市)は独自の分離・吸着材による低コストCO2の回収技術を有する企業だ。一ノ瀬泉代表取締役は「CO2回収効率をどの程度高められるか、ペトロナスの技術部門に対して、具体的な数字を出しながら検討を進めている」として、今後の事業拡大の可能性について語った。

人工知能(AI)を活用したアナログ計器用の遠隔検査ソリューションを提供するリルズ(沖縄県宜野湾市)の都里彩Head of Global Expansionは「Future Tech2.0の卒業生でインフラやプラントの3Dモデリングとデータ分析を行うマレーシア企業のグラフィコ(Graffiquo)とPOC(概念実証)が決まった。従来は目視で点検していた計測器の情報を自社技術でデータに可視化し、事業拡大につなげたい」と意気込む。

審査委員を務めたパナソニックアジアパシフィックの森俊彦ダイレクターは「成長著しい東南アジア市場で、日本のスタートアップが大手エネルギー財閥と連携するアプローチは、資源豊富なマレーシアならではの面白い展開だ。日本の大企業の視点からも、今後成長するアグリテックやエネルギー市場など、現地課題をまずマレーシアから直接解決するスタートアップが増えると非常に魅力的」と語った。

写真 イベントの様子(ジェトロ撮影)

イベントの様子(ジェトロ撮影)

(都築佑樹、ハズミ・マンソール)

(マレーシア、日本)

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