ウズベキスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャンが物流接続の強化で合意
(ウズベキスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャン)
タシケント発
2025年09月01日
トルクメニスタンのグルバングル・ベルディムハメドフ人民評議会議長(前大統領)、ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領、アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領による3者首脳会談が8月22日、トルクメニスタンのアワザ国立観光地区で開催された。3カ国の首脳は、各国間の物流の相互接続を強化することで合意に達した。
協議の結果、3カ国の首脳は共同声明を採択し、この中で、3カ国間での複合一貫輸送(注)を活性化させる意向を表明した。ミルジヨエフ大統領はさらなる開発に向けた検討を提案した。具体的には、カスピ海沿岸のトルクメンバシ(トルクメニスタン)とバクー(アゼルバイジャン)の港湾の処理能力拡大とインフラ近代化、輸送費の調整、手続きのデジタル化などだ。ルートの開発を促進させるため、ウズベキスタンは貨物輸送の料金を引き下げる用意があり、両国にも同様の対応を期待する意向を示した。
ウズベキスタンはカスピ海において、自国船舶での輸送にも関心を示している。今回の会合の終了後、ウズベキスタンのイルホム・マフカモフ運輸相は、トルクメンバシ~バクー間の航路の貨物輸送量の増加が30~40日間の輸送渋滞を招く恐れがあり、これを解消するため、自国の船舶をカスピ海で運航する計画を明らかにした。これらの船舶は、トルクメニスタンとアゼルバイジャンの造船所で生産される予定(「ウズ・デイリー」8月23日)。この関連で、首脳会議の終了後、トルクメニスタン海運・河川運輸局とウズベキスタン運輸省が造船分野における協力の発展に関する覚書を署名した。ほかに、トルクメニスタンとウズベキスタン、アゼルバイジャンとの間でそれぞれ運輸・物流、民間航空などの分野で協力文書が署名された。
本輸送回廊の開発のほかにも、ウズベキスタンは積極的な輸送ルート開発を進めている。「中国・キルギス・ウズベキスタン」鉄道(2025年1月9日記事参照)の全線にわたる本格的な建設が6月30日に開始され、7月にはアフガニスタンとパキスタンの間でアフガニスタン横断鉄道に関する覚書が締結された(2025年7月29日記事参照)。
(注)トラック、鉄道、船舶など複数の輸送手段を組み合わせて貨物を運送すること。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(ウズベキスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャン)
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