トランプ米大統領の就任以来、経済状況が悪化と53%が回答、世論調査

(米国)

調査部米州課

2025年09月22日

米国で8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比2.9%(前月2.7%)と、物価上昇基調が続く(2025年9月12日記事参照)。最近の世論調査では、ドナルド・トランプ大統領が就任してから経済が悪化したと53%が回答した。

「ワシントン・ポスト」紙と調査会社イプソスは9月19日、トランプ政権に関する世論調査結果(注1)を発表した。それによると、トランプ氏の1月就任からの経済状況について、「悪化した」が53%(非常に悪化25%、悪化28%)で、「好転した」の21%(非常に好転5%、好転16%)を大きく上回った。「変化なし」は25%だった。

今後の景気見通しについて、短期的にはトランプ氏の経済政策が景気後退を引き起こすだろうと72%が回答した。長期的には、同氏の経済政策が米国の経済基盤を「弱体化する」と42%が回答し、「強化する」(31%)を上回った。「判断するのは時期尚早」は22%だった。また、欲しい物や購入の必要がある物の価格は今後「上昇する」と62%が回答した。

トランプ氏が課す各国・地域からの輸入品への関税については、「不支持」が64%と「支持」(34%)を大きく上回った。関税が国内のインフレにもたらす影響として、「マイナスの影響」が71%で、「プラスの影響」(27%)大きく上回った。

国が誤った方向に進んでいるとする共和党支持者が急増

AP通信とシカゴ大学全米世論調査センター(NORC)が9月に実施した世論調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注2)では、国が誤った方向に進んでいるとの回答は75%で、6月の調査時(62%)より13ポイント増加した。支持政党別では、特に共和党支持者が6月の29%から51%まで大幅に上昇した。民主党支持者は92%で、トランプ氏就任以来高い状況が続いている。

トランプ氏の各政策については、過半が行き過ぎとみていることがわかった。「輸入品への関税賦課」には、60%が行き過ぎと回答した。「目的を果たすための大統領権限行使」は59%、「都市への州兵派遣や連邦法執行機関の展開」(注3)は56%だった。

(注1)実施時期は9月11~15日、対象者は全米の成人2,513人。

(注2)実施時期は9月11~15日、対象者は全米の成人1,183人。

(注3)地元警察を連邦政府指揮下に置くことなど。

(松岡智恵子)

(米国)

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