8月のインド乗用車販売は前年同月比9%減、二輪車は2カ月連続成長
(インド)
ベンガルール発
2025年09月26日
インド自動車工業会(SIAM)は9月15日、2025年8月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。8月単月の自動車販売台数(乗用車、二輪車、三輪車)は前年同月比4.8%増の219万519台で、2カ月連続のプラス成長となった(添付資料表1参照)。ただし、乗用車〔多目的車(UV)とバンを含む〕は大型減税前の買い控えなども影響し、9.0%減の28万839台と低調だった。なお、表1の数字には含まれていないが、地場タタ・モーターズを含めると、8月の乗用車販売台数は32万1,840台、前年同月比では8.8%減となる(注1)。二輪車は、2カ月連続のプラス成長となる7.1%増の183万3,921台で、中でもスクーターが12.7%増の68万3,397台と高い伸びを示した。三輪車は、8.3%増の7万5,759台で、8月としては過去最高を記録した。
SIAMのラジェシュ・メノン事務局長は「乗用車は前年同月比減となったが、三輪車は8月として過去最高の販売台数を記録した。政府が物品・サービス税(GST)を引き下げる(注2)ことで、より多くの人が車を手に入れやすくなり、今後の祝祭シーズンに向けてインドの自動車業界がさらに活気づくだろう」とコメントした。
メーカー別乗用車販売では、首位のマルチ・スズキが前年同月比8.2%減の13万1,278台、現代が11.2%減の4万4,001台といずれも前年割れになった。一方、マヒンドラ&マヒンドラは9.0%減の3万9,399台ながら、4~8月の累計では前年同期比15.4%増と好調を維持している。トヨタ・キルロスカは前年同月比2.5%増の2万9,295台だった。最も高い伸びを示したのはシュコダ・オートで、同79.3%増の4,971台だった(添付資料表2参照)。
二輪車では、ヒーローが前年同月比5.5%増の51万9,139台で首位を堅持した。ホンダは2.2%減の48万1,021台で2位、TVSモーターは27.6%増の36万8,862台で3位につけた。ロイヤルエンフィールド(56.8%増)、エイサー・エナジー(72.0%増)なども大きく伸びた(添付資料表3参照)。
9月22日から実施されたGSTの大幅引き下げを受けて、マルチ・スズキ、現代、タタ・モーターズなどの主要自動車メーカーは、同日から相次いで乗用車の販売価格の大幅な値下げを実施しており、祝祭期に向けた需要拡大への期待が高まっている。
(注1)タタ・モーターズの販売台数は単月の乗用車販売台数のみ公開。自動車販売台数の全体や、セグメント別、メーカー別、車種別、二輪車、三輪車統計には含まれない。
(注2)8月15日に発表された物品・サービス税(GST)の引き下げについては、2025年8月22日記事参照。
(小柴里沙)
(インド)
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