上半期の製造業向け外国投資認可額、前年同期比12.1%増

(マレーシア)

クアラルンプール発

2025年09月01日

マレーシア投資開発庁(MIDA)は8月22日、2025年上半期(1~6月)の投資認可総額が前年同期比18.7%増の1,903億リンギ(約6兆6,605億円、1リンギ=約35円)だったと発表した(MIDAプレスリリース参照PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。産業別にみると、サービス業が62.3%、製造業が36.0%、第一次産業が1.7%を占めた。投資認可総額のうち、国内投資が43.9%、外国投資が56.1%を占めた。

上半期に認可された投資案件数は3,011件で、8万9,294人の新規雇用を創出したとMIDAは試算している。また、2021年から2025年6月までに認可された製造業案件のうち85.1%が実行済みという。

ジェトロが8月26日にMIDAから別途入手したデータによると、2025年上半期における製造業の外国投資認可額は、前年同期比12.1%増の533億リンギだった。業種別にみると、化学・同製品が6.7倍の111億リンギで首位に立った(添付資料表1参照)。次いで、電気・電子製品が70.6%減の105億リンギで全体の2割弱を占めた。

投資元国・地域別では、中国が217億リンギ(前年同期比4.0倍)で首位だった(添付資料表2参照)。とりわけ、非金属鉱物製品、化学・同製品および電気・電子製品関連の投資が大きく寄与した。次いで、英領バージン諸島は、第1四半期(1~3月)に計上された66億リンギ相当の基礎金属製品への投資のみで2位を維持した(2025年6月23日記事参照)。これに、シンガポール、米国、イタリアが続いた。

日本による製造業投資認可額は、前年同期比64.8%増の17億リンギで、国・地域別では9番目だった(添付資料表3参照)。そのうち、化学・同製品は30.7倍の13億リンギで、全体の76.1%を占めた。報道や各社リリースによると、主な投資案件として、フェローテックによる工場設立(10億リンギ相当)、豊田通商による銅箔(どうはく)製品関連の投資(1億1,000万ドル相当)、ヨシムラ・フード・ホールディングスによる業務用厨房(ちゅうぼう)機器輸入販売企業の株式取得(14億円相当)などが報じられた。

MIDAは、堅調な投資確保は政府によるサービス改善、積極的な貿易・投資促進ミッションの実施、承認プロセスの簡素化などの成果を反映したものだと説明。こうした取り組みが、国際経営開発研究所(IMD)による2025年の世界競争力ランキングで、マレーシアの順位を34位から23位へと引き上げ、厳しい国際情勢の中でも魅力的な立地であり続けていると分析した。

(戴可炘)

(マレーシア)

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