チリ大統領選の世論調査では共和党カスト氏がトップ維持、治安や移民対策で支持集める

(チリ)

調査部米州課

2025年09月01日

民間調査会社カデムは8月24日、11月に予定されているチリ大統領選挙に関する最新の世論調査結果を公表した。大統領選挙の候補者登録は8月18日に締め切られており、候補者8人が出そろった後初めての世論調査実施となった。

それによると、「次期大統領として支持する人物は誰か」との質問に対し、38%が右派の共和党のホセ・アントニオ・カスト氏と回答し、左派の共産党のジャネット・ハラ氏が28%でそれに続いた(添付資料表参照)。中道右派連合チレ・バモスから立候補するエブリン・マテイ氏は支持率10%で3位に位置している。支持率上位者の順位は約1カ月前に実施された世論調査結果(2025年7月29日記事参照)と変わらないが、カスト氏とハラ氏はそれぞれ支持率をさらに伸ばした結果となっている。なお、カスト氏とハラ氏が決選投票に進んだ場合、44%がカスト氏に、31%がハラ氏に投票するだろうと回答しており、両者の比較でもカスト氏が優位となっている。

カスト氏が支持を集める要因として、昨今、チリの人々にとって関心の高い治安問題への対策を重視する点が挙げられる。治安問題との結びつきの強い移民問題への対策としても、公約の中に不法移民の流入を完全に阻止することを目的とした「国境防衛計画」を含め、チリ北部の国境地帯の警備を堅固にする意向だ。

(佐藤輝美)

(チリ)

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