シンガポールの2025年上半期新規登録車数、中国BYDが首位に
(シンガポール)
シンガポール発
2025年08月04日
シンガポール陸運庁(LTA)が7月28日に発表した最新統計によると、2025年上半期(1~6月)のメーカー・ブランド別新規登録車数(並行輸入車を含む)において、中国の大手電気自動車(EV)メーカーの比亜迪(BYD)が4,667台と、首位に浮上した。2位がトヨタ自動車(3,461台)、3位がドイツのBMW(2,664台)だった(添付資料参照)。
BYDは、2025年上半期の新規登録車数の約2割を占めた。シンガポールでは、EVを中心とする環境に優しい車へのインセンティブの導入などを背景に、近年、EVの販売台数が増加している(2024年10月3日付地域・分析レポート参照)。政府は一般消費者向けにEV購入のためのインセンティブとして、「EV早期採用インセンティブ(EEAI、期限:2025年末まで)」と「乗用車排出スキーム(VES、同2025年末まで)」を導入している(注)。これらのインセンティブを利用することで、EV購入代金から最大4万シンガポール・ドル(約460万円、Sドル、1Sドル=約115円)を差し引くことが可能になったことなどが、EV販売の拡大を後押している。2025年6月末時点で同国のEV台数は3万6,016台と、乗用車全体(65万8,816台)の5.5%を占める。
中国のEV車メーカー進出加速で、競争激化
同国ではBYDを筆頭に、中国EVメーカーの進出が加速している(2025年1月17日記事参照)。中国の広州汽車(GAC)の2025年1~6月の新規登録車数は466台と、11位だった。小鵬汽車(Xpeng)は376台と12位で、新車販売で追い上げを見せている。
トヨタ自動車の2025年上半期の新規登録車数は、前年同期(3,165台)と比較して増加した。しかし、新規登録車数に占める割合は14.4%と、前年同期(17.0%)から縮小した。BMWも販売台数が増加したが、新車登録に占める割合が2025年上半期は11.1%と、前年同期(13.6%)から縮小している。
(注)EEAIは、車両の新規登録の際に課される追加登録料(ARF)の45%(上限額:1万5,000Sドル)を払い戻す制度。また、VESは、ARFから最大2万5,000Sドルを払い戻すスキーム。詳細はLTAのサイト参照。
(本田智津絵)
(シンガポール)
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