米リビアン、建設中断中のジョージア州EV工場の起工式を2025年9月に予定
(米国)
アトランタ発
2025年08月19日
米国の電気自動車(EV)メーカーのリビアン(本社:カリフォルニア州)が建設を中断していたジョージア州のEV工場の起工式を2025年9月に行う、と地元メディアが報じた(アトランタ・ジャーナル・コンスティテューション電子版8月14日)。9月14日に地域向けイベント、9月16日に関係者、メディア、同州のブライアン・ケンプ知事(共和党)を含む政府関係者を招いた正式な起工式を行う。
リビアンは2021年12月、50億ドルを投じて同州にEV工場を新設すると発表したが(2021年12月21日記事参照)、2024年3月に新工場建設の一時中断を発表した(2024年3月14日記事参照)。一方で、2024年11月には、中断中の同工場建設のために、66億ドルの条件付き融資の確約を米エネルギー省(DOE)から取り付けた(2024年11月29日記事参照、注1)。また、2025年7月にはジョージア州への投資の一環として、同州に東海岸本社を新設することを発表した(2025年7月24日記事参照)。
アトランタ・ジャーナル・コンスティテューションの取材に対し、同社のクレア・マクドノー最高財務責任者(CFO)は、DOEからの66億ドル融資はプロジェクトファイナンスのように設定されており、融資引き出しのタイムライン確定のためには、工場建設に着手して用地への投資を継続する必要があると述べた。今回の起工式は、2028年の生産開始に向けた重要な第一歩となる。
同社は、経費削減の取り組みが奏功し、2024年第4四半期に初めての黒字を計上した。また、同社によると、イリノイ州ノーマルの既存工場の拡張はほぼ完了し、2026年上半期に次期中型スポーツ用多目的車(SUV)「R2」(注2)の生産開始を予定する。ジョージア州の新工場はその生産拡大のための拠点となるとともに、中型SUVの「R3」も生産予定で、同社事業の再拡大が期待される。
(注1)そのほか、2024年5月にイリノイ州ノーマルにある工場拡張に対して同州から総額8億2,700万ドル相当のインセンティブを獲得し、2024年7月にはドイツのフォルクスワーゲン(VW)との総額50億ドル規模の合弁事業を発表した(2024年5月21日記事、2024年7月3日記事参照)。
(注2)現在販売されているピックアップトラック「R1T」とSUV「R1S」の販売価格はいずれも7万ドル台からであるのに対し、「R2」は約4万5,000ドルからになる予定で、同社はこれによりターゲット市場の拡大を見込んでいる。リビアンは「R2」の開発にあたり、材料費削減と販売価格引き下げに注力したという。
(横山華子)
(米国)
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