2025年上半期の日本からアフリカ向け輸出は12.7%増、輸入は18.9%増

(アフリカ、日本、南アフリカ共和国、ケニア、エジプト、ナイジェリア、タンザニア、ガーナ、コートジボワール、モロッコ)

調査部中東アフリカ課

2025年08月06日

日本の財務省貿易統計(7月30日発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、2025年上半期の日本の世界向け輸出額は前年同期比3.6%増の533,623億円、世界からの輸入額は1.3%増の555,829億円だ。このうち、アフリカ向け輸出は12.7%増の6,987億円、輸入は18.9%増の7,439億円となった。

輸出先は南アがシェア2割、品目は自動車が最多

アフリカ向け国別輸出では、南アフリカ共和国がシェア21.8%で最大、リベリアとケニアを含む上位3カ国で半分以上を占める。南アとエジプトでは前年同期よりわずかに減少したが、その他の輸出先上位国では増加した。特に、ナイジェリアとウガンダでは50%以上の大幅な増加をみせた。

2025年上半期の日本からアフリカへの輸出額上位10カ国は次のとおり。

  • 南ア:1,526億円、前年同期比2.6%減
  • リベリア:1,328億円、7.9%増
  • ケニア:886億円、32.5%増
  • エジプト:549億円、1.0%減
  • タンザニア:484億円、45.1%増
  • ナイジェリア:325億円、50.4%増
  • モロッコ:245億円、15.1%増
  • ウガンダ:217億円、51.1%増
  • モーリシャス:184億円、21.4%増
  • ガーナ:108億円、24.0%増

品目別にみると、自動車輸出は約26万台で2,671億円と、アフリカ向け輸出の最大品目だった。国別の自動車輸出は南ア向けが614億円、ケニア516億円、タンザニア319億円で、ナイジェリア167億円、エジプト151億円、モーリシャス148億円、ウガンダ138億円だ。エジプトとモーリシャス以外では中古車の割合が高い。船籍の税・登録料優遇があるリベリア向け輸出は9割以上が船舶だ(1,264億円、19隻)。ケニアやタンザニア、南ア向けに鉄鋼フラットロールも多い。南ア向けには建設用・鉱山用機械も輸出された。

輸入元は南アがシェア6割、コートジボワール大幅増

日本のアフリカからの輸入を国別にみると、南アが前年同期比12.2%増となり、シェア61.7%で大半を占めた。主要な輸入国ではコートジボワールが9.6倍、ガーナが3.1倍、赤道ギニアが2.5倍などと急増した。

輸入額上位10カ国は次のとおり。

  • 南ア:4,588億円、前年同期比12.2%増
  • ナイジェリア:581億円、7.1%増
  • ガーナ:498億円、205.6%増
  • モロッコ:246億円、6.1%増
  • モザンビーク:180億円、84.1%増
  • タンザニア:145億円、76.6%増
  • コートジボワール:133億円、856.2%増
  • マダガスカル:132億円、6.0%増
  • 赤道ギニア:122億円、147.1%増
  • チュニジア:101億円、10.1%減

輸入品目をみると、南アからは白金族の金属が2,596億円と圧倒的に多く、その他、石炭467億円、鉄鉱石324億円、ウッドチップ174億円、合金鉄148億円、乗用車140億円などだ。ナイジェリアからは液化天然ガス(LNG)317億円、赤道ギニアからもLNG122億円、南スーダンからは原油・粗油98億円など資源の輸入も多かった。コートジボワールからは天然ゴムが72億円だ。また、ガーナからカカオ豆371億円、タンザニアからコーヒー生豆104億円、モロッコから魚介類(主にタコやマグロ)91億円など、食品輸入も多い。

なお、日本から中東への輸出額は前年同期比16.5%増、中東からの輸入金額は9.5%減だ(2025年8月5日記事参照)。

(井澤壌士)

(アフリカ、日本、南アフリカ共和国、ケニア、エジプト、ナイジェリア、タンザニア、ガーナ、コートジボワール、モロッコ)

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