2025年上半期の日本から中東向け輸出は前年同期比16.5%増、輸入は9.5%減
(中東、日本、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェート、カタール、オマーン、イスラエル、イラン)
調査部中東アフリカ課
2025年08月04日
日本の財務省が7月30日に発表した2025年上半期の貿易統計の確報値によると、日本から世界向けの輸出額は前年同期比3.6%増の53兆3,623億円、日本の世界からの輸入額は1.3%増の55兆5,829億円だった。このうち、中東(注)への輸出額は前年同期比16.5%増の2兆1,329億円、中東からの輸入金額は9.5%減の5兆9,322億円だった。
輸送用機器が中東輸出シェア6割、28.6%増
中東向け輸出では、輸送用機器が金額全体のシェア60.4%を占め、主要な輸出品目となっており、前年同期比で28.6%増と大きく増加した。輸送用機器のうち、乗用車の輸出額は29.0%増の9,992億円で、輸出台数は13.9%増の32万4,649台となった。バス・トラックの輸出額が41.3%増の2,002億円と伸び、台数は36.9%増の7万4,996台だった。その他、鉄鋼(シェア4.6%)、自動車の部品(3.4%)、原動機(3.1%)、ゴム製品(2.1%)、ポンプ・遠心分離機(2.0%)の順で輸出額が多かった。
中東への国・地域別輸出額(全品目)では、アラブ首長国連邦(UAE)が最大だった。クエウェートとサウジアラビアが、前年同期と比べて大幅な伸びを示した。2025年上半期の中東の主要国向け輸出の前年同期比伸び率と金額は次のとおり。
- UAE:8.1%増、8,981億円
- サウジアラビア:27.7%増、4,960億円
- クウェート:45.6%増、1,724億円
- カタール:4.0%増、1,155億円
- オマーン:16.7%増、1,015億円
なお、イスラエル向け輸出は前年同期比4.4%減で956億円、イラン向け輸出は8.2%減で60億円だった。
輸入は鉱物性燃料が9割超
中東からの輸入品目では、鉱物性燃料が輸入額の93.9%を占めた。このうち、「原油および粗油」がシェア78.7%で、輸入量は前年同期とほぼ変わらず(増減率0.0%)の6,433万キロリットル(前年同期比3万キロリットル増)だった。一方で、資源価格が下落したため、同品目の輸入額は前年同期比10.6%減の4兆6,674億円だった。その他、石油製品の揮発油が12.1%減の5,754億円(852万キロリットル)、液化天然ガス(LNG)が10.5%減の2,967億円(320万トン)と続いた。
中東からの国別の輸入額と増減率(前年同期比)は次のとおり。
- UAE:10.5%減、2兆5,247億円
- サウジアラビア:10.0%減、2兆152億円
- クウェート:29.3%減、4,333億円
- カタール:0.6%減、5,482億円
- オマーン:19.3%増、2,169億円
なお、イスラエルからの輸入は前年同期比25.5%増の1,300億円、イランからの輸入は16.8%減の19億円だった。
(注)財務省貿易統計での定義では、イラン、イラク、バーレーン、サウジアラビア、クウェート、カタール、オマーン、イスラエル、ヨルダン、シリア、レバノン、アラブ首長国連邦(UAE)、イエメン、ヨルダン川西岸・ガザの14カ国・地域を指す。なお、同統計ではトルコは中東に含まれない。
(井澤壌士)
(中東、日本、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェート、カタール、オマーン、イスラエル、イラン)
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