ジェトロ、南アなどアフリカでの若者消費市場調査やポップカルチャーのレポートを公開
(アフリカ、日本、南アフリカ共和国)
調査部中東アフリカ課
2025年08月27日
ジェトロは8月19日、「南アフリカ共和国における若年層の消費動向調査」を公表した。同調査では、統計や若年層に対するアンケート結果に基づいて、南アにおける若年層の生活、価値観、消費活動の特徴や傾向などを概説した。
同報告書によると、南アは、人口が約6,200万で1人当たりGDPが約6,000ドルとなっており、市場やサプライチェーンもある程度確立している。南アの市場規模は、現在は主要先進国と比べると小さいが、今後も安定的に若年層世代の人口増が見込める地域となっている。中・長期的な視野では、将来、主要な購買層となる若年層の理解が重要だとした。世代別にみると、南アでは、2010年以降生まれのα(アルファ)世代は対話型の広告、1990年代中盤以降生まれのZ世代はデジタル化に沿った広告、1980年代以降生まれのY世代は個別化された広告を好むなど世代差も見られるという。
若年層向けのアンケート調査結果のポイントは次のとおり。
- 南アの若年層は日本製品に対し高品質や耐久性のイメージが強い。若年層は良い顧客サービスを重要視する。
- 南ア市場においては、安い、品質が高いという点だけではなく、認知度の高さも重要視される。
- 日本の製品で南アの若年層に認知度が高かったのは、トヨタ(92.2%)、ホンダ(90.2%)、スズキ(89.0%)、ソニー(87.8%)など。その他、日産、いすゞ、マツダなどの自動車ブランドや、カシオも認知度が高かった。
- 南アの若年層は、自国が「途上国」との認識があるが、海外製品へのあこがれよりも、自国製品への愛着が強い。日本・中国・韓国など各国へのこだわりは弱い。南アの若年層は低価格の消費財(文房具など)として自国製品を好む傾向がある。
アフリカの若者関連の各種レポート公開、TICAD9でもイベント開催
ジェトロは2025年7月に、エジプト、モロッコ、エチオピアなどの若年層のライフスタイルに関するレポート「アフリカにおけるライフスタイル・消費者動向」も公表した。SNS利用やポップカルチャーへの関心、美容や外食事情などについて紹介している。このほか、「アフリカにおける日本のポップカルチャーの可能性を探る」と題した特集を7月に公開した(8月以降も随時記事追加)。
さらに、ジェトロは「第9回アフリカ開発会議(TICAD9)とアフリカビジネス」特集において、アフリカの現地事情や日本企業のアフリカでの取り組みに関するビジネス情報を紹介している。TICAD9併催のテーマ別イベント「TICAD Business Expo & Conference」では、各国市場に関するイベントが多数開催されたほか、アフリカでのポップカルチャーに関するステージイベントも開催された。
(井澤壌士)
(アフリカ、日本、南アフリカ共和国)
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