トランプ米政権、風力タービンに対する232条調査を開始、パブコメ募集
(米国)
ニューヨーク発
2025年08月22日
米国商務省産業安全保障局(BIS)は8月13日、風力タービン・同部品の輸入に関する1962年通商拡大法232条に基づく調査を開始した。8月25日に公示予定の官報案で明らかにした。調査結果によっては、風力タービン・同部品の輸入に追加関税などの輸入制限措置が講じられる可能性がある。
官報案によれば、232条調査対象品目は風力タービン・同部品(parts and components)。調査対象品目の関税分類番号(HTSコード)は示されていない。BISは官報公示後15日間、調査に関するパブリックコメントを受け付ける(注1)。
1962年通商拡大法232条は、特定製品の輸入が米国の安全保障に脅威を及ぼす場合に、大統領に追加関税などの輸入制限措置を発動する権限を認めている。232条に基づく輸入制限措置の発動に先立ち、商務省は270日以内の調査を実施し、当該製品の輸入が米国の安全保障に脅威を及ぼすか否かの判断や、追加関税などの輸入制限措置の内容の提言を取りまとめる(注2)。
なお、トランプ政権は232条に基づいてこれまでに、鉄鋼・アルミニウム・銅に50%(2025年7月31日記事、2025年8月19日記事参照)、自動車・同部品に25%(2025年4月3日記事参照)の追加関税を課している。また、今回の発表を含めて、木材、半導体、医薬品、重要鉱物、トラック、民間航空機、ポリシリコン、無人航空機、風力タービンの9分野で232条に基づく調査を進めている。
(注1)コメントは連邦政府ウェブサイトから提出可能(2025年8月25日以降)。案件番号はBIS-2025-0191。
(注2)232条に基づく調査や発動の手続きの詳細は、2024年12月10日付地域・分析レポート参照。
(葛西泰介)
(米国)
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