ベトナム南部メコンデルタ地域で投資セミナー開催

(ベトナム、日本)

ホーチミン発

2025年08月20日

ベトナム外務省とカントー市人民委員会、在ベトナム日本大使館とジェトロは8月8日、ベトナム南部メコンデルタに位置するカントー市(注1)で、投資セミナー「MEET JAPAN - MEKONG DELTA REGION」を開催した。日越友好議員連盟のベトナム訪問に合わせて開催したもので、チャン・タイン・マン国会議長、小渕優子日越友好議員連盟会長をはじめ、両国政府関係者や日本企業・団体約70社、ベトナム企業約40社などを含む約300人が参加した。カントー市はベトナム南部に位置し、メコン川の豊かな水資源を生かした農業と水産業が盛んで、メコンデルタ地域を代表する都市の1つだ。

開会あいさつに立った小渕会長は、日越両国の友好関係のさらなる促進のため、日越友好議連同士の積極的な相互往来を活性化させ、日越友好議連の会長として両国の政治的友好関係をさらに高いステージに導いていきたいと述べた。

マン国会議長は「メコンデルタ地域の2020~2024年の域内総生産(GRDP)は、全国GDPの約12~12.2%を占める。GRDPは2020年の約970兆ドン(約5兆4,320億円、1ドン=約0.0056円)から、2024年は約1,409兆2,800億ドンに拡大したほか、2024年のこの地域の成長率は7.31%で、全国平均の7.09%を上回った」と述べた。また、今後の投資協力の促進に向け、「裾野産業、ハイテク技術、デジタルトランスフォーメーション(DX)、クリーンエネルギー、スマート農業への投資の奨励」「技術移転と人材育成の強化」「持続可能な発展に向けた再生可能エネルギーと環境保護プロジェクトの協力」の3点が重要だと強調した。

メコンデルタ地域への投資誘致をテーマにしたプレナリーディスカッションでは、同地域の幹部が各省・市の強みや魅力、日越間の貿易などについてプレゼンを行ったほか、日系企業も同地域で展開している事業の紹介や各省・市との協業の可能性、要望などを紹介した。カントー市では現在、日本企業による13件のプロジェクトが進行中で、総投資額は約16億ドルに上る。主なプロジェクトとして、丸紅とベトナムの貿易建設総公社(VIETRACIMEX)の合弁会社によるオモン2火力発電所やイオンモールよるショッピングモール開発が紹介された。タイニン省(注2)での日本企業の投資プロジェクトは173件、総投資額は約12億ドルで、食品・飲料製造、裾野産業、木材加工、物流、電子商取引などが主な投資分野として挙げられた。

写真 交流するチャン・タイン・マン国会議長(左)と小渕優子日越友好議員連盟会長(右)(カントー市提供)

交流するチャン・タイン・マン国会議長(左)と小渕優子日越友好議員連盟会長(右)(カントー市提供)

写真 セミナーであいさつする小渕会長(カントー市提供)

セミナーであいさつする小渕会長(カントー市提供)

写真 両国政府関係者の記念撮影(カントー市提供)

両国政府関係者の記念撮影(カントー市提供)

(注1)ベトナムは政治・行政の効率化や経済発展の促進を目的として、7月1日から、これまでの63省・市(6つの中央直轄市と57省)から、新たに34省・市(6つの中央直轄市と28省)に再編した。カントー市は旧カントー市、旧ソクチャン省、旧ハウザン省が合併(2025年7月1日記事参照)。

(注2)タイニン省は、旧タイニン省と旧ロンアン省が合併。

(ダン・ティ・ゴック・スオン)

(ベトナム、日本)

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