中銀、政策金利を15%に据え置き、利上げサイクル停止

(ブラジル)

サンパウロ発

2025年08月04日

ブラジル中央銀行は7月29~30日に金融政策委員会(Copom)を開催し、政策金利(Selic)を15%に据え置くことを決定した。これにより、2024年9月から続いていた利上げサイクルは終了した(2025年6月30日記事参照)。据え置きは市場の予想どおりだった。

Copomは声明で「国内経済は緩やかな成長を示しているが、労働市場の活性化は継続している。また、Copomは米国によるブラジルへの追加関税措置の発表を注意深く見守っている。不確実性が高いため、慎重な姿勢が必要だ」と説明した。

7月25日付の中銀週次レポート「フォーカス」(注1)によると、2025年の拡大消費者物価指数(IPCA、注2)上昇率予測は5.09%で、中銀のインフレ目標範囲(1.5~4.5%)を上回っている。

サンパウロ州商業連盟(FecomercioSP)は7月30日付の公式サイトで「妥当な決定だった。インフレは減速傾向にあるが、経済活動は依然として過熱気味だ」として、Copomの決定を評価した。一方、全国工業連盟(CNI)は7月30日付の公式サイト上で「収縮的な金融政策によって経済活動へのコストが上昇しており、産業分野の状況も悪化している。中銀は利下げを開始すべきだった」と、批判的な見解を示した。

(注1)フォーカスは、中銀が国内100以上の金融機関を対象に行ったアンケートを集計し、予測などをまとめたもの。毎週金曜日に集計を行って平均値を算出し、翌週の月曜日に公表する。

(注2)ブラジルの代表的な物価指数。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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