米税関、非課税基準額(デミニミス)ルール廃止に伴い、国際郵便貨物の関税支払いガイダンスを発表
(米国、世界)
ニューヨーク発
2025年08月19日
米国税関・国境警備局(CBP)は8月15日、少額貨物の輸入に対する非課税基準額(デミニミス)ルールの廃止に伴い、国際郵便ネットワークを通じて輸送された貨物の関税支払いに関するガイダンスを発表した。
ドナルド・トランプ大統領は7月30日、米国東部時間8月29日午前0時1分以降に通関する貨物からデミニミスルールの適用を停止し、同ルールの下で免税対象とされている800ドル以下の少額貨物に対しても関税を課す大統領令を発表した。同大統領令では、国際郵便ネットワークを通じた輸入に対する関税率について、(1)国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税率を郵便貨物の原産国・価値に対して適用する従価税と、(2)IEEPA関税率が16%未満の場合に1点当たり80ドル、16~25%の場合に同160ドル、25%を超える場合に同200ドルとする重量税の、いずれかを選択できるよう定めた。ただし、2026年2月28日以降は、従価税のみ適用される(2025年8月1日記事参照)。
今回のガイダンスでは、この関税支払い方法について、通関業者は対象となる全ての郵便貨物に対して同一の支払い方法を選択しなければならないと示された。ただし、月に1回、24時間前にCBPに通知することで、支払い方法を変更できる(注1)。
また、通関業者は国際郵便ネットワークを通じた輸入に関して、貨物の到着前にCBPに通知する必要がある。その際、全ての貨物の原産国を明記する必要がある。関税支払い方法で(1)の従価税を選択する場合は、貨物の合計価値も申告しなければならない。
関税の支払い期限は、輸入月の翌月の7営業日目までとなっている。例えば、2025年9月内に輸入した場合は、10月9日までに支払わなければならない。支払いを遅延すれば、利息が課される。
そのほか、ガイダンスでは、関税支払い方法や郵便貨物の数、関税総額などを申告するワークシート(注2)や、通関業者による保証金取得の手続きなどについても解説している。
(注1)関税支払い方法の変更は、CBPDM@cbp.dhs.govおよびIntlMailDutyHelp@cbp.dhs.govに通知する。ただし、2026年2月28日以降は、従価税のみ適用されるため、選択や変更はできない。
(注2)ワークシートはガイダンスからダウンロードできる。
(赤平大寿)
(米国、世界)
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