ジェトロ、アフリカの知財政策に関するセミナー実施、知財協力に期待

(エジプト、ケニア、南アフリカ共和国、日本)

知的資産部戦略企画課

2025年08月29日

ジェトロは8月22日、第9回アフリカ開発会議(TICAD9)のテーマ別イベント「TICAD Business Expo & Conference(TBEC)」(2025年8月27日記事参照)で、「転換期を迎えるアフリカの知的財産政策」をテーマに、セミナーを開催した。エジプト知的財産庁(EGIPA)のヒシャム・アズミー長官、ケニア模倣品対策機関(ACA)のロビ・ンジョロゲ事務局長(動画出演)、南アフリカ共和国企業・知的所有権登録局(CIPC)のロリー・ボラー長官が参加し、各国の知的財産政策と今後の戦略について議論した。齋藤健児ジェトロ知的資産部長がモデレーターを務めた。

写真 セミナー登壇者の左から、齋藤健児ジェトロ知的資産部長、アズミーEGIPA長官、ボラーCIPC長官(ジェトロ撮影)

セミナー登壇者の左から、齋藤健児ジェトロ知的資産部長、アズミーEGIPA長官、ボラーCIPC長官(ジェトロ撮影)

まず、各国の知財制度の変化について紹介した。エジプトでは、これまで異なる省に存在していた知財オフィスや活動を統合するため、2023年8月の法に基づいてEGIPAを設立し、知財戦略をリードしている。ケニアは、知財記録システムや知的侵害に対する略式手続きの導入などを進めており、南アは、2018年に特許に対する実体審査導入の方針を打ち出し、審査官育成に力を入れている。イノベーション推進の観点からは、若者や中小企業の知財の重要性に対する認識向上も共通の課題として挙げられた。

こうした取り組みで3カ国は国境を越えた協力を重視しており、ンジョロゲACA事務局長は地域的な法執行枠組みや東アフリカ共同体(EAC)の拡大を進めたいとし、「知的財産の保護と執行でアフリカ大陸を代表する準備ができている」と述べた。アズミーEGIPA長官は知財問題は「1カ国だけでは解決できない」とし、法執行のベストプラクティスの共有や共同ワークショップ、会議などの協力が欠かせないと述べた。ボラーCIPC長官は日本の特許庁や世界知的所有権機関(WIPO)と協力した審査官育成の実績を挙げ、「多国間主義によって世の中はより良く発展できる」と述べた。

また、今回の訪日で、アズミーEGIPA長官とボラーCIPC長官は日本の特許庁や日系企業を訪問した。アズミーEGIPA長官は人工知能(AI)の活用に関する知見の共有や模倣品・海賊品対策で企業との連携への期待も語った。

写真 Q&Aセッションの様子(ジェトロ撮影)

Q&Aセッションの様子(ジェトロ撮影)

(迫佳沙音)

(エジプト、ケニア、南アフリカ共和国、日本)

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