低価格輸入品のVAT、8月1日から自動徴収を開始
(ベトナム)
ホーチミン発
2025年08月14日
ベトナムの税関局は、通達29/2025/TT-BTCに基づき、8月1日から国際宅配便で送られる100万ドン以下(5,600円、1ドン=約0.0056円)の輸入品に対する付加価値税(VAT)の自動徴収を開始した。
2025年2月18日に施行された首相決定01/2025/QĐ-TTgにより、国際宅配便で送られる輸入品は、商品の価格に関係なく、関税とVATの納税義務が課されることになったが、通関システムのVNACCSでは、少額輸入品に対するVATの徴収機能が整備されていなかった。なお、これ以前は、2010年に施行された首相決定78/2010/QD-TTg号に基づき、100万ドン以下の国際宅配便による輸入品については、関税とVATが免除されていた(2025年3月4日記事参照)。
ベトナムの電子商取引(EC)調査会社Metric発行の「2025年上半期(1~6月)のEC市場概況レポート」によると、上半期のベトナム主要ECプラットフォームの販売商品総数は前年同期比25.4%増の19億2,370万点で、総売上高は41.5%増の202兆3,000億ドンだった。売上高の上位3分野は、美容関連が35兆7,620億ドン(全体の18%)、家庭・生活用品が26兆9,640億ドン(13%)、レディースファッションが26兆6,940億ドン(13%)でEC市場を牽引している。
なお、ECプラットフォーム売上高のうち上位3社が占めるシェアは、1位のショッピーが前年同期の63%から58%へ縮小した一方、2位のTikTokショップが29%から39%へ拡大した。3位のラザダは7%から3%に縮小した。
また、ベトナム政府はECプラットフォーム事業者の税務管理に関する政令を公布し、事業者は7月1日から自社プラットフォームを通じて事業活動を行う個人事業主に対して、VATと個人所得税(PIT)を源泉徴収して納税する義務が生じている(2025年6月26日記事参照)。
ベトナム税務局によると、2025年上半期のECおよびデジタル経済活動からの税収総額は前年同期比58%増の98兆ドンに達した。このうちEC事業全体では、約9万3,000社の企業および個人事業主が合計88兆6,000億ドンを納税した(税関オンラインニュース7月14日)。
(新田和葉、トゥ・ハー)
(ベトナム)
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