湖北省、ロシア向け鉄道貨物輸送を強化
(中国、ロシア)
武漢発
2025年08月07日
中国湖北省の国有国際物流企業の湖北省港口集団の子会社、武漢漢欧国際物流は7月31日、「湖北港口漢欧国際ロシア(モスクワ)貨物物流センター」と「湖北港口漢欧国際ロシア(ノボシビルスク)直接調達基地」を設立したと発表した。
報道によると、貨物物流センターは、モスクワの北30キロに位置し、ベリラスト物流ハブを拠点として運営されている。専用の税関監督倉庫や、コンテナ積み下ろしエリア、車両検査プラットフォームを備え、「貨物列車+通関+物流」のワンストップサービスを提供する。従来の越境物流での寸断を効果的に解決し、総合的なサービスの効率を高め、ユーラシア大陸の双方向市場への展開力を強化している。
一方の直接調達基地は、ノボシビルスク州の豊富な資源に着目している。同州はロシア第3の経済中心地で、シベリア鉄道と国家経済特区政策の優位性を背景に、大麦、小麦、食用油などの農産物が豊富だ。中欧班列(武漢)の復路便(ロシア発・武漢行き)を農産物物流の回廊として活用し、ロシア産農産物の安定的な輸出ルートを開拓するとしている。
7月末までに中欧班列(武漢)によるロシア方面への貨物輸送量は23万7,300TEU(1TEUは20フィートコンテナ換算)を突破し、貨物金額は198億元(約4,158億円、1元=約21円)を超えた。今後、湖北省で生産した機械設備や電子製品、新エネルギー車などは物流ハブを通じて迅速にロシア市場に供給される一方、ロシアの木材や農産物などは効率的に湖北省へ直送され、「湖北省の商品を西へ輸出、資源を東へ輸送」という双方向の高速輸送回廊が形成される。
湖北省は中央アジアとの間でも「双方向輸送」の協力を加速しているが(2025年6月24日記事参照)、今回の取り組みを機に、ロシアとの「双方向輸送」の協力も強化する意向とみられる。
(高橋大輔)
(中国、ロシア)
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