オーストラリア中銀、2025年3度目の利下げ、3.60%に

(オーストラリア)

シドニー発

2025年08月20日

オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は8月12日、政策金利を0.25ポイント引き下げて3.60%にすると発表した。利下げは2025年に入って3回目となる。RBAは7月の会合で、市場関係者の予想に反して、政策金利を据え置いていた。

RBAのミシェル・ブロック総裁は利下げ決定の背景として、インフレ率が目標圏内(2~3%)の中央値に向けて継続的に低下していることを挙げた。オーストラリア統計局(ABS)が7月30日に発表した2025年第2四半期(4~6月)の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同期比2.1%(2025年8月5日記事参照)と、4四半期連続で目標圏内に収まり、3四半期連続で目標圏内の中央値を推移した。また、労働市場が予想どおり緩和していることも、利下げの判断要因に挙げた。同総裁は今後の見通しについて、引き続き慎重な姿勢を維持するとした。米国関税による貿易リスクはやや後退したようにみえるが、世界経済の見通しは依然として不透明だと言及した。

今回の発表を受け、ジム・チャルマーズ財務相は「政策金利は過去2年超で最も低い水準となった。住宅ローンを抱える何百万人もの国民にとって、歓迎すべき救済策になった」とし、「失業率が5%を下回る中、暦年で3回の利下げが行われるのは約20年ぶりだ」と、労働党政権によるインフレ対策の成功をアピールした。

現地報道によると、今回の利下げは既に予想されていたもので、2025年内にさらに2回の利下げが実施される可能性が高いとした(8月12日付「オーストラリア・ファイナンシャル・レビュー(AFR)」紙電子版)。

(山崎美樹)

(オーストラリア)

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