ジェトロ、上海・北京のレストラン41店舗で日本産酒類の販促PRイベントを実施

(中国)

上海発

2025年08月18日

ジェトロと在上海日本総領事館は共催で、中国の上海市、北京市で日本産酒類の販促PRイベント「2025 Sake Overflow(中文名:和酒満溢)」を約1カ月間(66日~713日)実施した(2025年6月18日記事参照)。その後、在上海日本総領事公邸で88日に成果発表会兼表彰式を行った。

PRイベントでは、上海市と北京市内の飲食店41店舗において、日本産酒類(計279SKU、注)を対象に「993杯」の清酒飲み比べセットや焼酎をベースにしたカクテルを販売。多くの消費者が来場・試飲した。あわせて、有力なEC(電子商取引)サイトやインフルエンサーによるライブ配信でのオンライン販売も行った。オンライン・オフラインでの販売を合算した総売上高は100万元(約2,000万円、1元=約20円)を超え、小紅書(RED)などの主要SNSプラットフォームでは「和酒満溢」が話題になり、SNS総露出が120万回を超えるなど、日本産酒類の消費促進と認知向上につながった。

写真 清酒3点飲み比べセット(ジェトロ撮影)

清酒3点飲み比べセット(ジェトロ撮影)

写真 インフルエンサーが中国版TikTokでライブ販売を行う様子(ジェトロ撮影)

インフルエンサーが中国版TikTokでライブ販売を行う様子(ジェトロ撮影)

なお、本イベントは、2024年からジェトロが在上海日本総領事館、日本国税庁、日本酒造組合中央会、上海市政府などと連携して展開している「Japan Sake Month」の一環で、BtoC向けの販促PRを目的に実施されたもの。2回目の開催となる今回は、実施都市数が前年の2倍、参画店舗数が1.6倍、酒類数が3倍、EC店舗数が3倍と規模が大幅に拡大した。店舗訪問時のスタンプラリーを紙媒体からデジタル化するなど、各方面で改善を行い、顧客満足度を高めた。また、消費者向けに清酒と焼酎に関する講座を複数回実施し、日本産酒類の文化と醸造技術に対する理解促進も図った。

88日の成果発表会兼表彰式で、在上海日本総領事館の岡田勝総領事・大使は、「Japan Sake Month」はビジネスの促進だけではなく、日中文化交流の役割も担っている。清酒等の日本産酒類が両国民の交流を深めるきっかけとなることを期待している」と述べた。また、ジェトロ上海事務所の天野真也所長は、「今後も日本産酒類の中国市場での認知向上と輸出拡大に取り組んでいく」と意気込んだ。

写真 在上海日本総領事公邸での表彰式(ジェトロ撮影)

在上海日本総領事公邸での表彰式(ジェトロ撮影)

日本の「伝統的な酒造り技術」が2024年12月、ユネスコ無形文化遺産に登録されたことを受け、中国において日本産酒類への関心が高まっている。財務省の貿易統計によると、日本産酒類の2025年上半期(1~6月)の対中輸出額は144億7,800万円(前年同期比38.7%増)と好調だった。中国の消費者は品質を重視する傾向にあり、併せて文化的価値と独特の風味を持つ日本産酒類は、今後、中国市場でさらなる普及・浸透が期待される。

(注)SKUは、Stock Keeping Unitの略称で、受発注や在庫管理を行う際の最小単位。

(江碧清)

(中国)

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