ジェトロ、日本産酒類イベント第2回「Japan Sake Month」を開催
(中国)
上海発
2025年06月18日
ジェトロは6月6日、在上海日本総領事館、日本国税庁、日本酒造組合中央会および上海市政府と連携し、中国上海市で日本産酒類などのPRや販路開拓を目的に、第2回「Japan Sake Month」のオープニングイベント「2025 Sake Summit(和酒峰会)」を行った。会場は、中国国際輸入博覧会(上海輸入博と称される)に出展した日本産品の常設展示を行っている「上海虹橋品匯・虹橋輸入商品交易展示中心」に設置した。
開幕式の様子(ジェトロ撮影)
本イベントの出展面積は3,000平方メートルを超え、80社以上の日本産酒類関係企業が参加し、日本酒、焼酎、泡盛、梅酒、ウイスキー、ビール、リキュール、ワインなど1,000SKU(注)以上の酒類を出展した。中国全土から1,300人を超えるバイヤーが来場し、会場では活発な商談が行われた。
商談の様子(ジェトロ撮影)
同イベントでは、日本・中国それぞれを代表する酒類専門家による「プロフェッショナル・マスタークラス」が開催された。ジェトロは中華料理店への日本酒の新規市場開拓に取り組んでおり、マスタークラスでは、日本酒と中華料理のペアリングをテーマとした講演などが実施された。
加えて、「伝統的酒造り」が2024年12月にユネスコ無形文化遺産に登録されたことを受け、特設ブースを設置し、日本の酒造りの魅力をPRした。
そのほか、「新商品発表会」「炭酸カクテル体験コーナー」「China Japan Street広報ブース」などを設け、来場者の注目を集めるなど、日本産酒類の魅力を発信する各種プロモーション活動が展開された。
新商品発表会の様子(左)、マスタークラスの様子(右)(ともにジェトロ撮影)
出展企業からは「商談につながる質の高いバイヤーが多く来場し、主催者の選定力に驚いた」「会場内の動線設計が合理的で、効率的に商談が進められた」「小売店、バー、卸、有名なインフルエンサーなど多くのバイヤーと商談できた。来年も継続して参加したい」などの声が寄せられ、イベントの質の高さが評価された。
来場したバイヤーからも、「非常に専門性が高く、目的意識が明確で、豊富な日本産酒類を一括調達できた」「和酒峰会は単なる商談会ではなく、日中酒文化交流の重要な窓口となっている」「手荷物預かり所や無料のミネラルウォーターサービスなどの細やかな気配りにプロの気質を感じた」などの感想が寄せられた。
さらに、「Japan Sake Month」の一環として、ジェトロは2025年6月6日から7月13日まで、一般消費者向けに上海・北京市内の飲食店41店舗と連携したイベント「Sake Overflow(和酒満溢)」を開催している。また、日本酒造組合中央会主催の「國酒フェア」や自治体主催の中国各地での日本産酒類の活動についても情報発信している。
財務省の貿易統計によると、2025年1月から4月までの日本産酒類の累計輸出額は、前年同期比で約4割増加しており、2024年の2桁減から回復の兆しを見せている。ジェトロは今後も中国での日本産酒類の認知度向上や、輸出拡大に向けた取り組みを引き続き実施していく予定だ。
(注)SKUは、Stock Keeping Unitの略で、受発注や在庫管理を行う際の最小単位。
(孫麗娜)
(中国)
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