共産党中央政治局会議を開催、次期5カ年規画議論する4中全会は10月開催で決定

(中国)

北京発

2025年08月01日

中国共産党の中央政治局会議が7月30日に開催され、第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)を10月に開催することを決定した。4中全会では次の5年間(2026~2030年)の計画となる国民経済と社会発展の第15次5カ年規画の制定に関して議論するとしている。なお、第15次5カ年規画に関しては、5月20日から1カ月間の意見募集が行われていた(2025年6月25日記事参照)。

今回の中央政治局会議では、2025年の経済運営も議題となった。会議では、2025年に入ってからの主な経済指標は良好に推移していると評価した。また、新質生産力(注1)は積極的な発展を遂げ、改革開放は深化し、重点領域でのリスクは有効なかたちで予防と解決ができており、人々の生活保障はより一層強化され、中国経済は強い活力と強靭(きょうじん)性を示していると指摘した。さらに、2025年下半期の経済推進について、「穏中求進(安定の中で前進を求める)」を堅持し、2025年の経済・社会の発展目標の達成に向けた努力と第14次5カ年規画の貫徹のためとして、次の要点を掲げた。

  • マクロ政策の力を持続的に発揮し、適宜強化する。積極的な財政政策と緩やかな金融政策を実施し、政策効果を十分に発揮させる。
  • 内需の潜在力を効果的に解放する。消費促進に向けた特別行動を実施し、商品の消費を拡大するとともに、サービス消費の新たな成長原動力を育成する。
  • 改革を揺るぐことなく深化させる。科学技術イノベーションによって新質生産力を引き続き発展させ、新たな柱となる国際競争力を持つ産業の育成を加速し、科学技術革新と産業革新の深い融合を推進する。全国統一大市場(注2)の建設や市場競争秩序の最適化を継続して推進する。法律法規に基づき、企業間の無秩序な競争をコントロールする。
  • ハイレベルの対外開放を拡大し、貿易と外資による投資の基盤を安定させる。輸出増値税の還付政策を最適化し、自由貿易試験区などの開放型プラットフォームを高いレベルで建設する。
  • 重点分野でのリスクの予防と解決に引き続き取り組む。地方政府の債務リスクを積極的かつ着実に解決し、新たな隠れ債務の発生を厳格に禁じ、地方金融プラットフォームの清算を力強く秩序立って効果的に推進する。
  • 人々の生活の保障に向けた確かな活動を行う。就業を優先した政策により、大学卒業者、退役軍人、農民工(出稼ぎ労働者)など重点となる層の雇用を促進する。階層別の社会扶助制度を整備する。

(注1)中国中央電視台(CCTV)の解説によると、新質生産力とは、技術の革命的なブレークスルー、生産要素のイノベーティブな配置、産業構造の深い転換・レベルアップにより生み出される先進的な生産力とされる。

(注2)中国政府は内需に立脚した循環の促進や、制度の設立・廃止の併用、市場の活用と有効な政府介入の実施、政策・ルールの一本化などを原則として、全国統一大市場の建設を目指すとしている(2022年4月20日記事参照)。

(亀山達也)

(中国)

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