ナイジェリア、第17回BRICSサミットに参加、ブラジルとの2国間会談も実施

(ナイジェリア、ブラジル)

ラゴス発

2025年07月23日

ナイジェリアのボラ・ティヌブ大統領は、ブラジルのルーラ・ダ・シルバ大統領による招待を受けて、第17回BRICS首脳会合(サミット)(2025年7月8日記事参照)に参加した(注)。ティヌブ大統領は7月5日にブラジル側と会談を行い、翌6日にサミットで演説した。大統領はその演説で、現在のグローバルガバナンス構造、財政システム、医療システムが低所得国や新興経済国、特にアフリカ諸国に対して不公平として、その再構築が必要と述べた。

ティヌブ大統領はまた、環境破壊、気候危機、グローバルな医療の不平などがアフリカにとって重要な共通の懸念であると指摘したうえで、アフリカは世界で二酸化炭素排出量が最も少ない地域にもかかわらず、最も大きな被害を受けていると述べた。そのうえで、2025年11月にブラジルで開催される国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)を見据え、公平性や、持続可能な技術移転、アクセス可能な資金調達を基盤とした新たな正義の道が必要であり、新興経済国がさまざまなイニシアチブから十分に恩恵を受けられるようにする必要があると強調した。

また、ナイジェリアは南南協力を強く信じており、財政の再構築、債務免除、気候変動、環境問題、医療に関するグローバルな意思決定において、受け身の参加者であってはならないとし、さらに、人口の70%を占める若者の存在を背景に、自らが未来の設計者であるべきと述べた。

サミットに先駆けて行われたブラジル側との会談では、ティヌブ大統領は、貿易、航空、エネルギー転換、食糧・農業開発、鉱業、天然資源探査の分野で両国間の協定におけるすべての技術的な問題を簡素化し、迅速に進める方針を示した。これに対して、ルーラ大統領は、ナイジェリアとのすべての協定を整え、覚書(MOU)を更新して遅滞なく署名する方針を表明し、ティヌブ大統領の次の訪問時にこれが実現されると述べた。

(注)ナイジェリアは、2025年1月にBRICSのパートナー国となった(2025年1月29日記事参照)。

(奥貴史)

(ナイジェリア、ブラジル)

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