中国家電メーカー美的集団、タイ・ラヨーン県で空調設備を生産開始

(タイ、中国)

バンコク発

2025年07月24日

中国家電メーカーの美的集団(Midea Group)は7月18日、タイ・ラヨーン県で空調設備を生産する工場を同日開設したことを発表した。美的集団(7月18日付同社フェイスブック投稿)によると、生産を開始したのは主に商業用のHVAC(暖房・換気・空調)設備だ。

ラヨーン工場は年間60万台の空調設備を製造し、主に輸出向けとしている(2025年3月24日付地域・分析レポート参照)。投資発表時の目標どおり、2025年第2四半期(4~6月)から大きな遅延なく稼働を開始した。美的集団は今後、電子レンジや冷蔵・冷凍庫の生産拠点の建設も計画している。

美的集団は既にチョンブリ県で20万平方メートル規模のエアコン工場を2021年第4四半期(10~12月)から稼働させている。完全稼働時には年間400万台のエアコンの生産能力を有する。同社は中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)との連携の下、美的集団の中国外で初となる「5G(通信)連結の新スマート工場」をタイで推進している〔ファーウェイの発表(2024年6月)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

チョンブリ工場では、5Gや人工知能(AI)、ビッグデータ、クラウドプラットフォームを組み合わせ、スマート製造を実践しているという。ファーウェイによると、検品プロセスにAIを導入することで、歩留まり率(Yield Rate)を4ポイント改善し、導入前後で製造後の不具合によって再加工を必要とする機器が4,000台から1,000台に削減されたとしている。

(藪恭兵)

(タイ、中国)

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