ドイツ政府、大学・研究機関からの起業支援強化へ「スタートアップ・ファクトリーズ」10拠点を選定

(ドイツ)

ベルリン発

2025年07月31日

ドイツ連邦経済・エネルギー省は7月10日、大学や研究機関からのスタートアップのスピンオフを加速する支援施策「スタートアップ・ファクトリーズ」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの選定結果を発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、ドイツ語)。本事業は、同省が展開するスタートアップ支援プログラム「EXIST」(注)の一環として実施。全国10拠点がスタートアップ・ファクトリーとして選定され、スタートアップ・エコシステムの中核として、質の高いスピンオフやスタートアップの創出を促進し、資金調達支援などを通じてその成長を後押しすることが期待されている。

今回選定された10のスタートアップ・ファクトリーズは次のとおり。

これらのファクトリーには、合計126の大学および研究機関が参画し、資金支援や協業パートナーとしては144の企業が参加。政府は各拠点に対して最大1,000万ユーロを拠出する。本施策では、それと同額の民間資金の拠出を条件とするマッチングファンド形式が採用されており、既に総計1億1,000万ユーロの民間資金が確保されている。

ドイツでは、2024年には2,700社以上のスタートアップが設立され、前年比11%増加となり、この上昇傾向は2025年も続いている。現在、ドイツ国内には31社のユニコーン企業が存在しており、政府はこの流れをさらに加速させる方針だ。

ドイツ発(made in Germany)のスタートアップ拡大への期待も大きく、カテリナ・ライヒェ経済・エネルギー相は「スタートアップ・ファクトリーズは、明日のスタートアップ、明後日のスケールアップを生み出す場である」と述べている。

(注)1998年に開始された助成金制度で、正式名称は「学術分野からの起業支援(Existenzgründungen aus der Wissenschaft)」。大学および大学外の研究機関において起業文化を根付かせ、起業家精神を強化することを目的としている(2023年12月18日付地域・分析レポート参照)。

(打越花子)

(ドイツ)

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