大阪・関西万博で「キューバ・ビジネスフォーラム」開催

(キューバ)

調査部米州課

2025年07月28日

キューバの外国貿易外国投資省(MINCEX)とキューバ商工会議所は7月24日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のエキスポホールで「キューバ・ビジネスフォーラム」を開催した。同国は7月25日にナショナルデー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを迎えるに当たり、投資誘致を目的としたフォーラムで、会場内には日本やキューバのビジネス関係者が集まった。

MINCEXアジア大洋州貿易政策局長のビルマ・サンチェス氏は冒頭、キューバは米国のフロリダ州やメキシコの首都メキシコ市との近接性を有していることや、カリブ海に面して地理的な優位性があることから、カリブ地域の物流ハブを目指すべく取り組んでいると強調した。同国の外資誘致政策の1つが100%海外資本での投資が唯一認められているマリエル特別開発区(ZEDM)だ。2013年に設立したZEDEMには現在、主にバイオ・医薬品産業や食品産業、物流分野の企業が進出している。サンチェス氏は、ZEDMにはコンテナターミナルも完備されていることから、同特区を活用してキューバへの投資をぜひ検討してほしいと呼びかけた。

サンチェス氏はまた、キューバの特産品のラム、たばこ、コーヒー豆は世界的にみても高品質で輸出に適していると述べた。同国企業アリンペックスの日本代表を務めるアルベルト・スギヤマ氏は、キューバ産ロブスターの輸出が増加していると紹介した。現在の主要な輸出先は中国、香港、台湾、韓国などで、高品質のロブスターがこれら東アジア諸国の中間上位層以上から高い評価を得ていると言う。

国営製薬会社バイオ・キューバ・ファルマのリカルド・ペレス氏は、政府が医療分野に注力していると紹介した上で、自社で新たな医療品開発に投資しているとした。同社は新型コロナウイルス感染拡大時にワクチン「アブダラ」を自社開発している。

世界銀行のデータによると、キューバのGDP成長率(2023年)はマイナス1.9%だった。米国のドナルド・トランプ大統領は6月30日、対キューバ規制を強化する国家安全保障大統領覚書(NSPM)を発表した。キューバへの観光を禁止するほか、キューバからの不法移民への対策も強化している(注)。

(注)詳細は2025年7月2日記事参照。

(辻本希世)

(キューバ)

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