金融セクター開発プログラム、2024年の年次報告書を発表

(サウジアラビア)

リヤド発

2025年07月18日

サウジアラビアの金融セクター開発プログラム(FSDP、2023年3月22日記事参照)は7月13日、「サウジ・ビジョン2030」の枠組みの中で、過去1年間の同プログラムの成果と今後の目標を反映した「金融セクター開発プログラム2024版年次報告書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表した。

報告書によると、フィンテック企業の数はFSDPが設定した2024年目標を上回り、サウジアラビアで活動するフィンテック企業の数は同年末に261社(前年比20.8%増)に達した。サウジアラビア中央銀行(SAMA)が138社、資本市場庁が52社、保険庁が14社のフィンテック企業にそれぞれライセンスを発行しており、2030年までにフィンテック企業の数を525社にする目標の達成に向け、順調に進捗している。

また、SAMAは2024年にデジタル銀行のD360銀行(注)の営業開始を承認した。このほか、電子決済は小売り決済全体の79%を占め、2023年の70%から増加、現金を伴わない電子決済の取引件数は126億件(前年比16.7%増)に達している。

ムハンマド・ビン・アブドゥッラー・アール・ジャドアーン財務相は「サウジアラビアの金融市場の勢いは2024年も続いており、企業を支援する環境を提供するための規則や規制を整備してきた。その結果、44社の株式公開と上場が承認され、2024年末までに上場企業数は353社となった」と述べた。

(注)サウジアラビアにあるシャリーア(イスラム法)に準拠したデジタル銀行。サウジアラビア公共投資基金(PIF)やデラヤ・フィナンシャル・カンパニーなど、同国の複数の金融・投資家が出資している。

(林憲忠)

(サウジアラビア)

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