ウクライナ西部リビウ市、投資誘致のため「ジャパン・デスク」開設

(ウクライナ、日本)

キーウ発

2025年07月14日

ウクライナ西部のリビウ市の投資局は77日、日本企業専用の相談窓口「ジャパン・デスク・リビウ(Japan Desk Lviv)」を開設した。ウクライナの地方政府が主導する初めての日本企業向けビジネス支援サービスだ。

ロシアとの戦時下にあるウクライナで、リビウは比較的安全な西部に位置し、日本企業にとっての『ウクライナの入り口』となることを目指している。ジャパン・デスク・リビウは日本企業に対して、現地パートナーの紹介や行政手続きのサポートなど、包括的な支援を行う予定だ。

ジャパン・デスク設置に当たっては、20251月以降、ジェトロが構想の段階から各種提案を行うなどして積極的に関与し、リビウ市を複数回訪問して直接協議を重ねてきた。20257月にジェトロと経済産業省、外務省が実施した「官民ミッション」で、日本企業10社とともにリビウを訪問した際、開設を正式に発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

ジェトロとリビウ市は相互の協力関係を強化し、日本とリビウ間のビジネス連携を一層促進するため、協力覚書(MOC)を締結した。

リビウ市のアンドリー・サドビー市長は「戦時下の今、リビウでは多くの外国代表団を受け入れてきたが、大半は政治的な目的だった。今回の日本代表団は根本的に異なる。著名で力のある企業を代表するビジネスパーソンたちがウクライナと協力関係を築くために、リビウにやって来たのだ。彼らは、世界中の多くの企業のように戦争が終わるのを待つことを望んではいない」と述べ、2国間の新たなステージの幕開けとなると強調した。

写真 MOCの締結式(ともにリビウ市投資局提供)

MOCの締結式(ともにリビウ市投資局提供)

写真 サドビー市長のスピーチ(リビウ市投資局提供)

サドビー市長のスピーチ(リビウ市投資局提供)

リビウはポーランド国境から約60キロに位置し、中・東欧のEU加盟国に近接する地理的優位性を持つことから、EU加盟国とウクライナをつなぐ「中継地」として、戦略的な役割が見込まれる(2025年6月10日付地域・分析レポート参照)。ミッション団はリビウ滞在中、地元企業とのネットワーキングや商談を行ったほか、代表的な工業団地や、自動車部品メーカーのフジクラ、大学などを訪問した。

ジャパン・デスク・リビウ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますについて

  • 設置場所:リビウ市政府リビウ市投資局内
  • 担当者:(投資・プロジェクト部長)アンドリー・パヴリウ氏、(プロジェクトコーディネーター)ナザール・ビリク氏

(余田知弘)

(ウクライナ、日本)

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