成都市でコンテンツ市場視察ツアーと日中コンテンツ交流会開催

(中国、日本)

成都発

2025年07月29日

ジェトロは中国の成都市政府や関係団体とともに、7月16日から20日にかけて、日系企業・団体23社・団体から28人が参加する成都コンテンツ市場視察ツアーを実施した。同市のテレビ・映画、ゲーム・eスポーツ、音楽を中心としたコンテンツ産業の状況を視察したほか、18日には「日中コンテンツ産業交流会」を開催し、成都企業42社が参加した商談会も行われた。

日中コンテンツ交流会では、日系企業側からIP FORWORDグループの分部悠介総代表兼最高経営責任者(CEO)が「コンテンツ産業の視点から見た成都の魅力と潜在力、日中コンテンツ共創の未来」について紹介したほか、ウルトラマンシリーズの制作を中心とする円谷フィールズホールディングスの渡辺哲也事業経営戦略本部上席執行役員が「ウルトラマンと円谷フィールズグループのIP戦略」について、松竹・海外事業部グローバル営業室の小林伸行氏が「松竹の業務紹介および最新アニメIP紹介」について、それぞれ紹介した。

成都企業からは、日中アニメ産業協力や日中デジタルコンテンツ、クリエーティブ音楽の新エコシステム共同構築などのテーマについて発表した。参加した成都企業からは、「日系企業のニーズを理解することができた」「既に日系企業と業務提携をしており、今日の交流会を通じて、さらなる日系企業との交流や連携の深化を期待している」などの声が上がった。

成都市では近年、高新区を中心に、コンテンツ、文化クリエーティブ産業が発展しており、2025年に大ヒットを記録した中国アニメ映画「哪吒(ナタ)」(2025年2月20日記事参照)で知られる可可豆動画をはじめとする6,000社以上のアニメやゲーム、音楽、映画・テレビなどの制作企業、関連機関が集積している。2024年には同区のコンテンツ、文化クリエーティブ産業の付加価値増加額が600億元(約1兆2,360億円、1元=約20.6円)に達した。また、成都市では2025年5月29日、デジタルコンテンツ産業発展支援に関する一連の政策が発表された。全国のテレビ、映画、アニメ制作の優れたプラットフォームの構築や同市でのゲーム・eスポーツ産業の促進、eスポーツクラブの育成などを目指すとしている(2025年6月12日記事参照)。

視察ツアーでは、同市にあるアニメ・映像、ゲーム・eスポーツ、音楽、デジタルメディアに特化した産業園区「ガゼルバレー」や、アニメや漫画をメインとした商業施設「天府紅ショッピングセンター」などを訪問したほか、中国西南地域で最大規模と影響力のあるアニメ・ゲームイベント「COMIDAY」を視察した。

写真 日中コンテンツの交流会(ジェトロ撮影)

日中コンテンツの交流会(ジェトロ撮影)

写真 日中コンテンツ交流会での商談(ジェトロ撮影)

日中コンテンツ交流会での商談(ジェトロ撮影)

写真 「ガゼルバレー」の視察(ジェトロ撮影)

「ガゼルバレー」の視察(ジェトロ撮影)

(王植一)

(中国、日本)

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