成都市、コンテンツ産業発展のための4つの政策発表

(中国)

成都発

2025年06月12日

中国の成都市政府は5月29日、デジタルコンテンツ産業の同市での発展支援に関わる一連の政策を発表した。主にテレビ・映画、SF、ゲーム・eスポーツ、コンテンツ産業関連スタートアップ企業の育成の4つの分野に関するものだ。‌

1つ目は、テレビ・映画産業を発展させる政策措置で、創作・製作支援、産業システム構築、SF・アニメ作品制作支援、人材支援など17項目を打ち出した。措置の中には、制作段階で優良プロジェクトに最高2,100万元(約4億2,000万円、1元=約20円)の補助金、また、公開後に重要な賞を受賞した作品や優れた放送実績を持つ作品に最高1,000万元の補助金を給付するなどの具体策を盛り込んだ。これらは、同市に‌全国のテレビ・映画・アニメ制作の優れたプラットフォームを築き、関連産業の高品質な発展を促進することを目的としている。

2つ目の全国初の都市級SFコンテンツ制作推進に関連する13項目の政策措置では、SF産業集積地の構築、コンテンツ創作の奨励、IPブランドへの転換実現、グローバルブランドの育成、産業エコシステム整備の支援など、5つの面から具体策を挙げた。

3つ目は、ゲーム・eスポーツ産業の発展推進の政策措置だ。成都市は人気スマホゲーム「王者栄耀(オナーオブキングス)」が生まれた都市というほか、eスポーツ大会の開催数が全国第2位で、2025年11月には「リーグ・オブ・レジェンド ワールドチャンピオンシップ」(注)の決勝戦も同市で開催を予定している。このような背景もあり、成都市でゲーム・eスポーツ産業を発展させるため、eスポーツ大会の開催を支援し、eスポーツクラブを育成するなど15項目の政策措置を発表した。

4つ目は、全国初のデジタルコンテンツのスタートアップ企業を対象にした優遇政策だ。スペース、資金、人材に関わる10項目からなる。具体的には、対象企業には10万平方メートル以上の創業スペースを提供し、上映ホール、会議室、印刷室などの設備を整えるとともに、創業スペースに入居する企業に対し、オフィス家賃の50%を補助する。

(注)「リーグ・オブ・レジェンド ワールドチャンピオンシップ」は、世界で最もプレーヤー数が多いパソコンゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」のeスポーツ大会で、世界各地で毎年開催する。

(曾小桐)

(中国)

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