ドイツ経済・エネルギー省、今後の経済低迷を懸念
(ドイツ)
デュッセルドルフ発
2025年07月28日
ドイツ経済・エネルギー省(BMWE)は7月14日、最新のデータを基に、2025年第2四半期(4~6月)のドイツの経済成長は鈍化傾向にあると発表した(プレスリリース)。同年第1四半期(1~3月)には、米国の追加関税を背景とした駆け込み輸出がGDPを押し上げたものの、4月以降はその反動を受け、対米輸出を中心に2カ月連続で輸出の低迷が見られ(2025年7月24日記事参照)、第2四半期の経済成長を押し下げる可能性が高いとしている。
生産面の指標を見ると、工業生産高は、前月比1.6%減となった4月から転じて、5月は同1.2%増となったが、先行指標は6月の減速を示している。5月の受注高を見ても、国外からの受注高は増加(前月比2.9%増)した一方、国内の受注減(同7.8%減)を受け、全体として同1.4%の減少となった。小売業の売上高も、4月、5月ともに前月比で減少した(それぞれマイナス0.6%、マイナス0.9%)。一方で、明るい材料として、BMWEは、主要な消費センチメントの指標として参照される新車登録総台数が好調な点も指摘している。ドイツ連邦自動車局(KBA)によると、6月の乗用車新規登録台数は前月比7.1%増、四半期ベースでも見ても、第2四半期は前期比で11.1%増となっている。ただし、米国の新たな関税適用開始の8月が迫る中、第3四半期(7~9月)には、貿易と工業生産は再度悪化するとの見通しを示した。
インフレ率は6月に2.0%増で、2025年でも最も低い水準になった。これは、欧州中央銀行(ECB)が設定する目標値で、2025年後半にかけてインフレ率はこのまま2%前後で落ち着く見込みだとした。
(マリナ・プタキドウ、櫻澤健吾)
(ドイツ)
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