米食品製造大手企業、合成着色料の使用終了を相次いで発表

(米国)

シカゴ発

2025年07月01日

米国の食品製造大手コナグラ・ブランズ(本社:イリノイ州)は6月25日、同社が米国で販売する冷凍食品ラインアップへの合成着色料(FD&C Colors、注1)の使用を2025年末までに中止すると発表した。また、「2026年(秋の)新学期開始までに、合成着色料を含む製品のK-12学校(幼稚園から高校)向けの提供を終了する」とし、さらに、「2027年末までに冷凍食品以外の米国内向け小売り製品についても、合成着色料の使用を終了する取り組みを進めている」と付け加えた。

長年、合成着色料使用に反対の立場を取ってきたロバート・ケネディ・ジュニア保健福祉長官が2025年3月10日に食品製造大手企業の幹部との会談したのを受けて、4月22日に米保健福祉省(HHS)と食品医薬品局(FDA)は「国内食品供給からの石油を原料とした合成着色料使用の段階的な廃止外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(注2)の方針を発表した。それ以降、食品大手企業から合成着色料の使用終了の発表が相次いでいる。4月24日にはペプシコ(本社:ニューヨーク州)が投資家向けに、2025年末までに同社のスナックブランド製品への合成着色料の使用を中止すると明らかにした(2025年6月19日記事参照)。6月17日にはクラフト・ハインツ(本社:イリノイ州)が「2027年末までに米国で販売される製品への合成着色料の使用中止」を(2025年6月19日記事参照)、ジェネラル・ミルズ(本社:ミネソタ州)が「2026年夏までに米国で販売する全シリアル製品やK-12学校で提供される全食品から合成着色料の使用を中止し、2027年末までに米国での全小売り製品への合成着色料の使用を中止」する計画を発表している。

また、ネスレUSA(本社:バージニア州)も6月25日に、「2026年半ばまでに米国で販売する食品、飲料製品ラインアップから合成着色料使用を中止する」と発表している。なお、現在、同社製品ラインアップの90%以上の製品は合成着色料を含んでいないという。

(注1)1938年連邦食品医薬品化粧品法と、その後の改正法により、食品、医薬品、化粧品に使用が許可されている合成着色料。

(注2)4月22日の発表では、食品業界が石油由来の合成着色料から天然由来の代替着色料への移行の全国的な基準とスケジュールを確立するとしている。特定の合成着色料については、大まかな期日などの記載はあるが、6月27日現在、具体的な期限日についての発表はない。

(星野香織)

(米国)

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