米クラフト・ハインツ、2027年末までに米国で販売される製品から合成着色料の使用を終了

(米国)

シカゴ発

2025年06月19日

米国食品製造大手のクラフト・ハインツ(本社:イリノイ州)は6月17日、同社が2027年末までに米国で販売する製品ラインアップから合成着色料(FD&C Colors、注)を除去すると発表した。同時に、今後、米国で合成着色料を含む新製品を発売しないことも表明した。発表によると、同社の製品のうち約90%は既に合成着色料が不使用とのことだ。同社は乳製品大手のクラフトとトマトケチャップで知られるハインツが2015年に合併した企業で、現在多くのブランドを抱えており、黄色5号、青色1号のような合成着色料は、同社ブランドのゼリー製品や清涼飲料水に現在も使用されている。同社は今後の計画として、「合成着色料の除去、合成着色料から天然着色料への置き換え、天然代替品がない場合は新しい色や色調の開発」に取り組むとしている。

今回の発表は、ロバート・ケネディ・ジュニア保健福祉長官による合成着色料への対応が厳格化する中で行われた。米国保健福祉省(HHS)と食品医薬品局(FDA)は2025年4月22日に、国内の食品供給から石油由来の合成着色料の使用を段階的に廃止すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしており、合成食品着色料2種類の承認取消し手続きや、新しい天然着色添加物の認可、食品メーカーに対する特定の合成着色料不使用の要請などを進めている。ケネディ氏は、クラフト・ハインツやゼネラル・ミルズを含む食品製造企業の幹部と会談し、自身の任期終了までに製品から合成着色料を除去するよう求めた、と報じられている(CNN 6月17日)。

なお、食品製造大手では、ペプシコ(本社:ニューヨーク州)が2025年4月24日の投資家向けの収支報告で、同社の抱えるスナックブランドが2025年末までに合成着色料の使用を終了することを明らかにし、合成着色料不使用へ向けて順調に進んでいることを強調した。

(注)1938年連邦食品医薬品化粧品法および、その後の改正法により、食品、医薬品、化粧品に使用が許可されている合成着色料。

(星野香織)

(米国)

ビジネス短信 21c77a36eecfd98c