パナソニックエナジー、カンザス州のEV向け新バッテリー工場で量産開始

(米国)

シカゴ発

2025年07月18日

パナソニックエナジーは714日、カンザス州デソトでテスラなど電気自動車(EV)用の円筒形リチウムイオンバッテリーを生産する新工場の開所式と、量産の発表を行った(注)。同社は、約120万平方メートルとなるこの工場建設に約40億ドルを投資し、既に1,000人の雇用を創出している(最大約4,000人を雇用の見込み)。同州商務省の発表によると、この新工場の建設は、同社および同州にとって史上最大の経済開発プロジェクトで、同州で年間約25億ドルの新たな経済効果がもたらされる見込みだ。同社は同州を選定した理由として、米国の中央という地理的条件、高度な技術を持つ労働力、堅固なインフラ設備を備えていること、そして州政府をはじめとした地元の熱心な誘致活動を挙げている。

開所式には、カンザス州のローラ・ケリー知事(民主党)やデビッド・トーランド副知事兼同州商務長官(民主党)、ジェリー・モラン連邦上院議員(共和党)など州や連邦の要人が出席した。ケリー知事は「このプロジェクトのあらゆる面に注がれた莫大(ばくだい)な努力が、バッテリーの量産を開始するこの歴史的な日に結実した。パナソニックエナジーの投資が州に与える意義と、プロジェクトを実現したパートナーシップの価値は、言葉で言い表すことができない」と述べた。

パナソニックにとって北米で2カ所目となるこのEV向け電池工場では、省人化ラインの導入などによって、ネバダ州の工場と比較して生産性が約20%向上する。また、今後はセル容量を約5%向上する新材料を用いた製品の投入も計画しており、将来的には年間約32ギガワット時の生産体制の構築を目指している。

写真 開所式でのテープカットの様子(ジェトロ撮影)

開所式でのテープカットの様子(ジェトロ撮影)

(注)同社は2022年7月14日に、工場建設の計画と同州の投資誘致補助金制度への申請が承認されたことを発表した(2022年7月14日記事参照)。

(星野香織)

(米国)

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