日産と東風汽車集団が輸出業務の合弁会社を設立

(中国)

武漢発

2025年07月03日

中国の湖北省武漢市に本社を構える東風汽車集団は6月25日、日産(中国)投資との間で、自動車輸出業務を担う合弁会社を設立すると発表した。合弁会社の資本金は10億元(約200億円、1元=約20円)で、東風汽車集団が4億元、日産(中国)投資が6億元を出資する。合弁会社の経営期限は設立から28年間としている。

東風汽車集団の発表によると、合弁会社では、東風汽車集団と日産(中国)投資の間で合意された海外市場への自動車、自動車部品、付属品の輸出などを行う。また、合弁会社の設立により、両社は自動車輸出事業において、それぞれの資金とサプライチェーンを活用することが可能になるという。

日産自動車(以下、日産)と東風汽車集団とがそれぞれ50%ずつ出資して設立した合弁会社の東風汽車は2023年11月11日、創立20周年式典において「DNA+」戦略を発表した。この戦略は事業の変革を加速し、効率を向上させ、さらなる発展を目指すものとしており、具体的には日産と東風汽車集団の支援のもとで2025年から車両の輸出を開始し、当初は年間10万台レベルの輸出を目標にすると述べていた。

また、日産が2025年5月13日に発表した、経営再建計画Re:Nissanでは、市場戦略の一環として、中国からの輸出において、多様でグローバルなニーズに対応するとしていた。また、大型スポーツ用多目的車(SUV)を中心に販売する中東では、中国からの供給についても検討しており、ラインアップの競争力を高めるなどとした。今回の合弁会社の発表は、こうした日産の戦略に基づいたものとみられる。

日産は2025年6月に販売を開始した新エネルギー車「N7」の販売が好調に推移するなど、販売台数増加の兆しもみられる(2025年6月24日記事参照)。しかし、中国での生産台数は2019年の約155万台から2024年には約67万台に減少しており、今回の合弁会社設立は、中国における生産面での立て直しを図るものとして注目される。

(高橋大輔)

(中国)

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