東風日産、新エネ車「N7」の販売台数が2万台を突破

(中国)

武漢発

2025年06月24日

東風日産は6月16日、中国・広州市で開催された同社の22周年記念イベントで、新エネルギー車モデル「N7」の販売台数が2万台を突破したことを発表した。同モデルは2025年4月に販売を開始し、中国の人工知能(AI)開発スタートアップのディープシーク(DeepSeek)の技術を導入したとして注目を集めた(2025年5月16日記事参照)。現在、6,000台が納車済みとなっている。

「N7」は、東風日産による新エネルギー車転換において鍵となるモデルで、同社の中国研究開発チーム主導で開発を行った初の新エネルギー車となっている。「快適な中・高級純電動セダン」として位置づけられており、一般家庭ユーザー向けの自動車として、発売以降好調な売れ行きを保っている。

東風日産の関口勛総経理は、「N7は中国市場から好意を持って受け入れられるだけではなく、日産自動車に対するグローバルな注目をもたらしている。同モデルを通して、中国のイノベーションを世界各地のユーザーに届けていく。弊社は、遠くない時期に年間販売台数100万台への復活を目指す」と述べた。

湖北省の完成車メーカー、新エネルギー車への生産転換が徐々に進む

湖北省は自動車産業の集積地として知られ、東風日産や東風本田汽車(以下、東風ホンダ)などの完成車メーカーおよび自動車関連企業が所在している。湖北省における新エネルギー車生産は、同じ中国中部地域(注)に位置する安徽省などと比較するとやや遅れが指摘される一方、中国国内の需要に合わせて徐々に生産転換が進んでいる。例として、東風汽車傘下の企業として設立された嵐図汽車(VOYAH)が、新エネルギー車の開発および販売を行っている。同社の製造した自動車は、中国と欧州を結ぶ貨物列車の中欧班列によって国外にも輸出されている(2025年5月26日記事参照)。そのほか、東風ホンダは2024年10月、武漢市内において同社初となる新エネルギー車専用工場を稼働した。上記の企業を中心として、今後、湖北省における新エネルギー車への生産転換がさらに進んでいくことが期待される。

(注)一般的に湖北省、湖南省、河南省、江西省、安徽省、山西省の6省を指す。

(西島和希)

(中国)

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