6月の消費者物価指数上昇率は前年同月比1.87%、中銀目標圏内で推移

(インドネシア)

ジャカルタ発

2025年07月03日

インドネシア中央統計庁(BPS)が7月1日に発表した2025年6月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で1.87%上昇した(添付資料図参照)。前月(同1.60%上昇)から上昇幅がわずかに拡大したものの、インドネシア中央銀行(BI)が定めるインフレ目標圏内(1.5~3.5%)に収まっている。なお、価格変動の大きい食品やエネルギーを除いたコアインフレ率は前年同月比2.37%で、前月(2.40%)からやや鈍化した。

前年同月比では、主要11品目のうち10品目で上昇した(添付資料表参照)。最も上昇率が高かったのはパーソナルケア・その他サービス(9.30%)で、食品・飲料・たばこ(1.99%)、レストラン(1.95%)が続いた。唯一、CPIが下落した品目は情報・通信・金融サービス(マイナス0.27%)だった。BPSは、パーソナルケア・その他サービスが突出して上昇した主要因として宝飾用金の値上がりを挙げており、金製品だけでCPI全体の上昇率(1.87%)の約4分の1に相当する0.48ポイントを押し上げたと説明した(「アンタラ」7月1日)。

低インフレ環境下でBIは、2024年9月以降3度(計0.75ポイント)の利下げを実施し(2025年5月23日記事参照)、直近の6月17~18日の理事会では据え置きを決定した(6月18日BIプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。BIのペリー・ワルジヨ総裁は「物価上昇率が政府のインフレ目標圏内で推移するよう、今後も政策金利を管理する。物価安定と(通貨)ルピアの安定を維持しつつ、追加利下げの余地を慎重に見極める」と発言した(「アンタラ」7月1日)。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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