インドのモディ首相、BRICS首脳会合に参加

(インド、ブラジル)

ニューデリー発

2025年07月22日

インドのナレンドラ・モディ首相は7月6~7日、ブラジルのリオデジャネイロで開催された第17回BRICS首脳会合(2025年7月8日記事参照)に参加し、複数のセッションで演説した。

「グローバル・ガバナンスの改革と平和と安全保障」のセッションでは、インドがグローバルサウスの声を強化するというコミットメントの下、グローバルサウスの国々の持続可能な開発に向け技術面や気候変動対策の資金面でより大きな支援が求められる、とモディ首相は強調した。また、テロリズムは人類が直面する重大な脅威だと述べ、2025年4月にインド北部カシミール地方で発生したテロ事件(2025年5月8日記事参照)は、インドだけでなく全人類に対する脅威だったと主張した。7月6日の首脳宣言では、インドの主導により、同テロ事件について「最も非難する」とする強い文言が盛り込まれた。

「多国間主義、経済・金融、AI(人工知能)活用の促進」のセッションにおいては、多様性と多極性がBRICSの強みであり、国際社会がさまざまな課題と不確実性に直面している時こそ、BRICSの重要性と影響力が増大する、とモディ首相は述べた。また、今後、多極体制の時代に世界が突入した時に、BRICSがそれをどう率いるか共に考えていくべきだとした。

「環境、国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)(注)、グローバルヘルス」に関するセッションでは、インドが急速な経済成長を続ける中、気候変動の国際的な枠組みであるパリ協定で定められた目標を前倒しで達成したことをモディ首相は強調。気候変動に対応するための、発展途上国に対する技術移転や資金調達への協力を求めた。

インドは、2026年のBRICS首脳会議で議長国を務める予定だ。モディ首相は、グローバルサウスを優先し、「humanity first(人類最優先)」のアプローチに重点を置くと述べ、また、BRICSの頭文字に合わせるかたちで「Building Resilience and Innovation for Cooperation and Sustainability(協力と持続可能性のための強靭性とイノベーション構築)」という新たなかたちで提示できるよう努めるとした。

(注)COP30は、2025年11月にブラジル北部パラ州の州都ベレン市で開催される予定。

(丸山春花)

(インド、ブラジル)

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