イラン首脳、外交再開に向け米国に誠意ある対話要求
(イラン、米国)
テヘラン発
2025年07月14日
イランのマースード・ペゼシュキヤーン大統領は7月7日に公開されたオンラインインタビューで、米国との交渉再開には「対話プロセスへの信頼」が不可欠との見解を示した。米国人コメンテーターで元フォックスニュース司会者のタッカー・カールソン氏のインタビューに答えた。
同大統領は「過去にイスラエルが引き起こしたとされる一連の攻撃や戦争犯罪が地域の安定を脅かしている」と指摘し、罪のない民間人や科学者、妊婦などが犠牲となったとして、「この悲劇を乗り越え、信頼が再構築されれば、交渉のテーブルに戻る用意がある」と述べた〔7月7日付イスラーム共和国通信(IRNA)〕。
7月9日付の英国紙「フィナンシャル・タイムズ」によると、イランのアッバース・アラーグチー外相は米国との外交交渉再開に前向きな姿勢を示し、イスラエルによる攻撃が外交の継続を妨げているとしつつも、「米国には交渉を復活させる力がある」と語った。過去9週間の間に米国のスティーブ・ウィトコフ中東特使と5回の会談を実施し、前政権下で進められた4年間の核交渉よりも大きな進展を得たという。これまで「歴史的な突破口が目前だった」が、6回目の会談予定の直前にイスラエル政権がイランを攻撃したことで打撃を受けたと述べた。さらに「イランは外交に全力を尽くしているが、米国が誠意ある姿勢を継続するかに疑念を抱かざるを得ない」とした上で、今後の和平交渉には米国の真摯(しんし)な姿勢と公正な合意形成が不可欠と強調した。また「冷酷に威圧するのではなく、敬意ある対話こそが唯一持続可能な道であることを米国が理解すれば、道は開ける」と述べ、「外交の進展は米国の選択に委ねられている」と語った。(7月9日付IRNA、同日付IRNA
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(マティン・バリネジャド)
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