三菱UFJ銀行、米ジョージア州のキュリオシティ・ラボとの連携へ基本合意書を締結
(米国、日本)
アトランタ発
2025年07月04日
米国ジョージア州ピーチツリー・コーナーズ市が所有・運営するキュリオシティ・ラボと三菱UFJ銀行は7月1日、今後の連携推進のための基本合意書(MOU)の調印式を同市で開催し、署名
した。同ラボとMOUを締結するのは、金融機関としても日本企業としても、三菱UFJ銀行が初だ。
MOUの目的は日米相互に連携を深めることだ。三菱UFJ銀行は新規事業などを検討する米国内外の日本企業に対し、キュリオシティ・ラボの取り組みを紹介し、同ラボは日本企業との協業希望などの相談があった際には、三菱UFJ銀行を紹介などする。2025年2月に三菱UFJ銀行が福岡市で開催したイベントに、同市シティーマネジャー(注)のブライアン・ジョンソン氏が登壇しており、今回のMOUを契機にさらなる連携強化を図る。
MOUの調印式(ジェトロ撮影)
MOUに署名する三菱UFJ銀行の藤城豊氏とピーチツリー・コーナーズ市のジョンソン氏(ジェトロ撮影)
ピーチツリー・コーナーズ市のマイク・メイソン市長は、先端交通システムなどの分野で日米の経済交流を促進し、地域経済の発展につながることを期待すると述べた。三菱UFJ銀行執行役員米州法人営業部長の藤城豊氏は、日本企業とキュリオシティ・ラボをつなげることで、ピーチツリー・コーナーズ市、ジョージア州、米国南東部の経済発展に貢献したいと述べた。
あいさつするピーチツリー・コーナーズ市のメイソン市長(ジェトロ撮影)
2019年に設立されたキュリオシティ・ラボは、次世代インテリジェントモビリティーとスマートシティー関連の技術の実証実験環境を提供している(2024年7月22日地域・分析レポート参照)。同市の経済開発と他のコミュニティーとの差別化のために生まれた同ラボは、テスト環境インフラを活用した実証実験が可能という点が強みで、国内外からスマートシティー関連の技術開発に取り組むスタートアップや団体を引きつけている。
2025年4月には産学連携などを促進するために、ジョージア工科大学が「ジョージアテックアトリウム」を同ラボのイノベーションセンターに設置したほか、スマートシティーに関わるインフラ強化のために、エヌビディアと同ラボのパートナーシップが発表
された。
ジェトロは2024年8月、ピーチツリー・コーナーズ市と共催で、キュリオシティ・ラボの取り組みを紹介するウェビナーを開催した。
(注)市や町などの地方自治体が雇用する専門の行政職員で、市の日常業務を監督する最高経営責任者(CEO)として機能している。
(檀野浩規)
(米国、日本)
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